“二布”の読み方と例文
読み方割合
ふたの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金はうなるほど持つて居るに違ひない癖に、よれ/\の布子ぬのこ一點づつ、お百などは腰切半纒こしきりばんてん二布ふたのを引つかけて、髮の毛などは雀の巣よりも淺ましい姿です。
『男、ててらに、女、二布ふたの』という歌の文句のとおり、一日中、細紐一本でいて、体面をつくろうことのいらぬ庶民生活の気安さを、心いくまでりいれていたのだった。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
云いながらおなつは帯を解き、肌衣と二布ふたのだけになった。そうして脇にある鏡台からはさみを取ると、手早くふつふつと元結を切り、ばらばら髪をふりさばいて立上った。
契りきぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)