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二布
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ふたの
ふりがな文庫
“
二布
(
ふたの
)” の例文
金は
唸
(
うな
)
るほど持つて居るに違ひない癖に、よれ/\の
布子
(
ぬのこ
)
一點づつ、お百などは
腰切半纒
(
こしきりばんてん
)
に
二布
(
ふたの
)
を引つかけて、髮の毛などは雀の巣よりも淺ましい姿です。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『男、
褌
(
ててら
)
に、女、
二布
(
ふたの
)
』という歌の文句のとおり、一日中、細紐一本でいて、体面をつくろうことのいらぬ庶民生活の気安さを、心いくまで
執
(
と
)
りいれていたのだった。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
云いながらおなつは帯を解き、肌衣と
二布
(
ふたの
)
だけになった。そうして脇にある鏡台から
鋏
(
はさみ
)
を取ると、手早くふつふつと元結を切り、ばらばら髪をふりさばいて立上った。
契りきぬ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
恁
(
かく
)
て島田なり、
丸髷
(
まるわげ
)
なり、よきに従ひて出来あがれば起ちて、まづ、湯具を
絡
(
まと
)
ふ、これを
二布
(
ふたの
)
といひ
脚布
(
こしまき
)
といひ女の言葉に湯もじといふ、但し
湯巻
(
ゆまき
)
と
混
(
こん
)
ずべからず、湯巻は別に其ものあるなり。
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
腰に巻いている赤い
二布
(
ふたの
)
が、まっ白な太腿に絡まっていた。半三郎は眼をすぼめた、腰は隠れているが、あらわな胸のふくらみがひどく眩しい。女は手をあげて叫んだ。
鵜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
相手は四十五六の、型の如き
親仁
(
おやぢ
)
で、
二布
(
ふたの
)
一枚に、肩にヒヨイと手拭を掛けた、女房のお虎は、平次の顏を横目でチラリと見たつきり、せつせと、
屑
(
くづ
)
を選つて居ります。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
慈善会場の客も
主
(
あるじ
)
も
愕然
(
がくぜん
)
として
視
(
なが
)
むれば、渠はするすると帯を解きて、
下〆
(
したじめ
)
を
押寛
(
おしくつろ
)
げ、
臆
(
おく
)
する色なく
諸肌
(
もろはだ
)
脱ぎて、衆目の
視
(
み
)
る処、
二布
(
ふたの
)
を恥じず、十指の
指
(
ゆびさ
)
す処、乳房を
蔽
(
おお
)
わず、
膚
(
はだえ
)
は清き雪を
束
(
つか
)
ね
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女はその高くなった処へ文筥を置き、それから着物の裾をからげて帯に
挾
(
はさ
)
んだ。下からは水色の
縮緬
(
ちりめん
)
の
二布
(
ふたの
)
があらわれたが、女はさらにその二布をからげ、左右の端をしっかりと結び合せた。
葦は見ていた
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
神職 構わず
引剥
(
ひきは
)
げ。
裸体
(
はだか
)
のおかめだ。
紅
(
あか
)
い
二布
(
ふたの
)
……
湯具
(
ゆぐ
)
は許せよ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女客はいま起きたところらしく、
二布
(
ふたの
)
一枚で上半身はあらわだった。女中が声をかけたのも聞えなかったものか、
吃驚
(
びっくり
)
して、美しい
胸乳
(
むなぢ
)
を隠したが、自分はこれから帰る、と声をひそめて云った。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
布
常用漢字
小5
部首:⼱
5画
“二”で始まる語句
二人
二
二十歳
二十
二月
二十日
二日
二重
二個
二間