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斯様
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こん
ふりがな文庫
“
斯様
(
こん
)” の例文
旧字:
斯樣
又
貴方
(
あんた
)
は番頭さんだから、
斯様
(
こん
)
な者を置いちゃ為にならねえから追出してしまった方がいゝなんて、旦那に意地を附けねえで下せいよ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
男は男で、
他
(
ひと
)
の
斯様
(
こん
)
なことには取合いたがらぬものである。匡衡は一応はただ
其儘
(
そのまま
)
に聞流そうとした。しかし右衛門は巧みに物語った。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
旅人は
斯様
(
こん
)
な山中にどうして
斯様
(
こんな
)
女がいるかと怪しみながら傍へ行こうとすると
蔦葛
(
つたかずら
)
や、
茨
(
いばら
)
に衣のからまって、容易に行くことが出来ず
森の妖姫
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この女に溺れてしまって
斯様
(
こん
)
な眼に会わされるのが気持よく感ずる迄に堕落してしまったんだ。けれども
此女
(
こいつ
)
はそれで満足出来なくなった。
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「お前なんか、何を言っているか分りゃしない。じゃ向の言うように、一緒になっていたら好いじゃないか。何も
斯様
(
こん
)
な処にいないでも。」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
▼ もっと見る
対手が黙つて
了
(
しま
)
つたので、丑松もそれぎり
斯様
(
こん
)
な話をしなかつた。文平はまた何時までも心の激昂を
制
(
おさ
)
へきれないといふ様子。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
甲州
玉蜀黍
(
とうもろこし
)
をもぎ、
煮
(
に
)
たり焼いたりして食う。世の中に
斯様
(
こん
)
なうまいものがあるかと思う。田園生活も此では中々やめられぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
一方吾々下飯台の方は、幾月にも
斯様
(
こん
)
なお
手柔
(
てやわらか
)
なこきつかわれ方に
遭遇
(
でくわ
)
さないので、
却
(
かえっ
)
て拍子抜がして、変てこだが
遉
(
さすが
)
に嬉しさは顔や
科
(
こなし
)
に隠されぬ。
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
全体
(
ぜんたい
)
誰
(
だれ
)
に頼まれた訳でもなく、
誰
(
たれ
)
誉
(
ほ
)
めてくれる訳でもなく、何を苦しんで
斯様
(
こん
)
な事をするのか、と
内々
(
ない/\
)
愚痴
(
ぐち
)
をこぼしつゝ、必要に迫られては
渋面
(
じふめん
)
作
(
つく
)
つて
朝々
(
あさ/\
)
通
(
かよ
)
ふ。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
斯様
(
こん
)
な話を自動車の上でしながら帰途はセエヌ河の右岸に沿ふて夜の
灯
(
ひ
)
の美しい
巴里
(
パリイ
)
の街へ
入
(
はひ
)
つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
其
(
そり
)
や僕も、
爺
(
おやぢ
)
の
脛
(
すね
)
を食ひ荒して、
斯様
(
こん
)
探偵にまで成り下つたんだから、随分
惨酷
(
ざんこく
)
なことも平気で
行
(
や
)
つて来たんですが、——篠田には実に驚いたのです、社会党なんぞ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
斯様
(
こん
)
な若殿原に茶にされて
堪
(
たま
)
るもんかい。第一、俺が
属
(
つ
)
いてゐる。俺が中々承知が出来ねエや。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「
斯様
(
こん
)
な
室
(
しつ
)
に、一人で夜遅く寝ていたら、さぞ物凄い事もあるだろう」と訊ねると
死体室
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
合せが頑固ですと、
斯様
(
こん
)
な失敗を
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
己
(
おれ
)
の
家
(
うち
)
で奉公に置いてやろうが、
斯様
(
こん
)
な断末場に成ると死ぬ気にもなるもんだが、人間と云うものは少しほとぼりが
脱
(
ぬけ
)
ると、苦しい事を
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
日本国は
譬
(
たと
)
えば主人が無くて雇人が乱暴する家の様だ。邦家千年の為にはかる主脳と云うものがあるならば、
斯様
(
こん
)
な馬鹿げた仕打はせまい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
奈何
(
どう
)
して
斯様
(
こん
)
なところへお志保が尋ねて来たらう。と丑松は不思議に考へないでもなかつた。しかし其
疑惑
(
うたがひ
)
は直に
釈
(
と
)
けた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
斯様
(
こん
)
なことを言った。私に字を書かして見て何うするつもりかあなたの心は分っています、なんて
自惚
(
うぬぼれ
)
も強い女だった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
然し
忽
(
たちま
)
ち思返して、運は何様な面をしておれの前に出て来るか知らぬが、おれは
斯様
(
こん
)
な面をして運に見せて
遣
(
や
)
れ、とにったりとした笑い顔をつくった。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
二郎は心のうちで、どうして姉が
斯様
(
こん
)
な山道を
悉
(
くわ
)
しく
知
(
しっ
)
ていようか……斯様なに暗いのにどうして斯様なに
路
(
みち
)
が分るだろうかと
訝
(
いぶ
)
かしがりながら
歩
(
あ
)
るいていた。
稚子ヶ淵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が
扨
(
さて
)
、中日の十四日の勘定前だから、小遣銭が、
迚
(
とて
)
も
逼迫
(
ひっぱく
)
で、活動へも行かれぬ。
斯様
(
こん
)
な時には、辰公は
常
(
いつ
)
も、通りのラジオ屋の前へ、演芸放送の立聴きと出掛ける。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
実業家といふと聞えが好いが近頃の奴は羽織ゴロの方に近い。立派な新教育を受けた若い
連中
(
てあひ
)
までが
斯様
(
こん
)
な怪しからない
所為
(
まね
)
をしたがるから困る。例へば商業学校、あれが少しも役に立ちませんナ。
青年実業家
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
かね「居る
処
(
とこ
)
が知れてるくらいなら
斯様
(
こん
)
なに心配はしやアしない、お
戯
(
ふざ
)
けでないよ、私もお前のような人の
傍
(
そば
)
には居られないよ」
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夕食の席で、民やが
斯様
(
こん
)
な話をした。
今日
(
きょう
)
午後猫を
捜
(
さが
)
して居ると、八幡下で
鴫田
(
しぎた
)
の婆さんと辰さん
家
(
とこ
)
の婆さんと話して居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかし私は斯の考への間違つて居ることを悟つた。私の教員生活も久しいものだ。
斯様
(
こん
)
な風にしてずる/\に暮して行く月日には全く果しが無い。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
えゝ酒乱なの、だから私、
斯様
(
こん
)
な処にいても、酒を飲む人は嫌い。……湯島天神に家を持っていたんですが、私、一と頃生傷が絶えたことがなかった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
勿論
(
もちろん
)
筋の大体は違っているようだけれど、やはり
斯様
(
こん
)
な老人が出て来るように覚えている。こう思って、彼は、老婆を眺めた。燈火の光りが当って老婆の白い頭髪は銀のように輝いている。
薔薇と巫女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
蟠「まったくお町に相違ない、相違ないが、
何
(
ど
)
うして
斯様
(
こん
)
な山奥へ来て
居
(
お
)
るか、それが分らぬ、併し筆蹟と云い
顔形
(
かおかたち
)
といい、確かにお町に相違ない」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
至極真面目で、
斯様
(
こん
)
なことを言出した。この『昼寝を為ることに極めてね』が
酷
(
ひど
)
く丑松の心を動かしたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
さぞ
困苦艱難
(
こんくかんなん
)
したであろう、この文治もの、そちに劣らぬ難儀はしたが、
天日
(
てんぴ
)
に消ゆる
日向
(
ひなた
)
の雪同前、胸も
晴々
(
はれ/″\
)
したわい、おゝ
斯様
(
こん
)
な悦ばしい事は……
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯様
(
こん
)
なことを話したら、人は笑ふだらう。実際私の始めたことは斯ういふ不思議な性質のものだ。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
右内は
如何
(
いか
)
に
御運
(
ごうん
)
が悪いとて、八百石取のお身の上が、人も通わぬ
山中
(
さんちゅう
)
の
斯様
(
こん
)
な
茅屋
(
あばらや
)
に
住
(
すま
)
っておいでになるのか、お情ないと気の毒そうに上って来ました。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯様
(
こん
)
なことを立話して、
姉妹
(
きやうだい
)
の娘と一緒に笑つて、復た二階の方へ相談に上つて行つた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
數「お前のお蔭で
私
(
わし
)
は
斯様
(
こん
)
な面白い事に逢ったのは初めてだ、実に
堪
(
たま
)
らんな、
又
(
ま
)
た其の
中
(
うち
)
来たいものだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
叔父さんは
斯様
(
こん
)
な
串談
(
じやうだん
)
を言ふかと思ふと、急に調子を変へてお節の方へ切込んで来た。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
國「まア
何
(
ど
)
うしてお二人が
斯様
(
こん
)
な処に、夢じゃアありますまいなア、
私
(
わっち
)
やア嬉しくって
耐
(
たま
)
らねえ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
斯様
(
こん
)
な暑い日によくそれでも出掛けて行つたなあ。」と言つて、叔父さんは半ば
独語
(
ひとりごと
)
のやうに、「お墓参りには叔父さんもしばらく行かないナ……」
終
(
しまひ
)
に叔父さんは溜息を
吐
(
つ
)
いた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
浪「御勘弁じゃアないよ、呆れかえって物が云えないよ、
斯様
(
こん
)
なお多福でも亭主のあるものに
彼
(
あ
)
んな馬鹿な事をされちゃア亭主に済まねえ、お
前
(
めえ
)
の
家
(
うち
)
へ行くから一緒に行きねえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それほど心の美しい人でも、
斯様
(
こん
)
な療養地へ来て居る悲しさには、親しい友達にまで気を
遣
(
つか
)
つて、
健康
(
ぢやうぶ
)
な人の知らないところに苦労すると見える。猶、聞けば、その男の客は
斯様
(
こん
)
な話もする。
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何ゆえ長助が
斯様
(
こん
)
なことを云うのか分りませんでしたが、
彼
(
あ
)
の通り検めたのを毀したと云うのは変だなと考えて、よう/\思い当りましたのは、
先達
(
せんだっ
)
て
愛想尽
(
あいそづか
)
しを云った恨みが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯様
(
こん
)
な話をするうちに、
内儀
(
かみ
)
さんの尖つた頬にはめづらしく血の気が上つて来た。その紅味が反つて病的にも見えた。
内儀
(
かみ
)
さんは骨と皮ばかりの瘠せ細つた両手を掛蒲団の上に力なげに載せて
死の床
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
幸兵衛は其の事が知れては身の上と思ったと見え、自分を気違だの
騙
(
かたり
)
だのと
罵
(
のゝし
)
りこづきまわして、お柳の手を取り、逃帰ったが、
斯様
(
こん
)
な人から、一文半銭たゞ貰う
謂
(
いわ
)
れがないから
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夫人は海岸の方から
斯様
(
こん
)
なことまでも考へて帰つて来た。
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
村「
彼
(
かれ
)
が払い物だと云って
小袖
(
こそで
)
を二枚持ってまいりましたから、
丈
(
たけ
)
は何うかと存じまして、改める積りで解きましたところが、貴方
襟
(
えり
)
の中から
斯様
(
こん
)
な手紙が出ました、御覧遊ばせ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
(
なん
)
で困る、君は今川口町四十八番地へあの位な構えをして、其の上春見と人にも知られるような身代になりながら、僕は
斯様
(
こん
)
な
不体裁
(
ふていさい
)
だ、
身装
(
みなり
)
が出来るくらいなら君の処へ無心には
往
(
ゆ
)
かんが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから
種々
(
いろん
)
な面倒が起るかも知れないから、何処までも他人で居て、子のようにしようと思うからの事だ……おゝ寒い、
斯様
(
こん
)
な所で云合ったッて仕方がない、速く帰って
緩
(
ゆっ
)
くり相談をしよう
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何にしても
何処
(
こゝ
)
に居ては事面倒だから、至急前橋か高崎まで
下
(
さが
)
るが、貴公此の女を見捨てずに生涯女房にして遣んなさい……またお前も治平殿方へ
嫁付
(
かたづ
)
いたら、もう
斯様
(
こん
)
な浮気を
為
(
し
)
ちゃアならんぜ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
松「ウン
斯様
(
こん
)
な書付じゃア何うだえ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“斯様”で始まる語句
斯様々々
斯様斯様
斯様々々云々