稚子ヶ淵ちごがふち
もう春もいつしか過ぎて夏の初めとなって、木々の青葉がそよそよと吹く風に揺れて、何とのう恍惚とする日である。人里を離れて独りで柴を刈っていると、二郎は体中汗ばんで来た。少し休もうと思って、林から脱け出て四辺を見廻すとすぐ目の下に大きな池がある …
作品に特徴的な語句
なさけ すく うつっ しげっ かん いわ 躊躇ためらっ あげ 地上ちびた ひか 首肯うなずい ひま ひやや はた きき ほんの しっ 先刻さき 小祠やしろ 建立こんりつ くわ たび 何処いずく つぐ 彼岸あなた 打笑うちえ たず 日常いつも 暫時しばし 漸々だんだん 相違ちがい たたり やしろ 請願ねだる いかずち 一先ひとまず 一天いってん 偶然ふと くれ わたし おとと 恍惚うっとり かなし なる 斯様こん こぼ じっ くら 茫然ぼんやり なか くつがえ いぶ 赫々かっかく 頭髪かみのけ 一向いっこう 一本ひともと 両親ふたおや 何処どこ 何時いつ 先刻さっき 其処そこ くさむら 可笑おか 合歓ねむ むせ 四辺あたり ふさ 天外てんがい 宿やど 寂然ひっそり 山中やまなか 微笑ほほえ 打眺うちなが ほう 旱魃かんばつ 明神みょうじん うつ もり よこた 此処ここ 流石さすが ふち たに 渓間たにま 独言ひとりごと ほとり 益々ますます