こん)” の例文
然しけんを父と称し、こんを母と称す、Mother Earth なぞ云って、一切を包容し、忍受にんじゅし、生育する土と女性の間には、深い意味の連絡がある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しかし、決定的な闘争はむしろ明日のきんこん一番にあるので、私たちはそれに対する準備を更に練った。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
その凶は暗剣殺で未申ひつじさる——西南——の方、これを本命ほんめい二黒土星で見れば未申は八白の土星に当るからこんとなる。卦からいうと坤為こんいといってこの坤という字は土である。
謙は却ち謙遜、謙譲のけんで、へりくだることである。高きに在るはづのごんの山が、低きに居るべきこんの地の下に在るのである。たぶん私は一生のあひだ地の下にうづくまつてゐなければならない。
地山謙 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
「さて、てのひらだ、ここを見ろ!」いうと一緒に侍は、小指の付け根へ指をやったが、「よいか、ここはこんという。中指の付け根ここはだ。ええと、それから人差し指の付け根、ここを称してそんという。 ...
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)