こん)” の例文
われ先ず親方にべなって見べし。ここのがよりも欲にかかるべえに。……芸もねえこん可愛めんこくもねえつらつんだすなてば
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
何うしたって嬢様が逃げ出す気遣きづけえはねえだ、逃げなけりゃア殺されることもねえだ、それを知って居ながら黙ってゝ、嬢様が逃出してから殺されゝば、汝が殺したも同じこんだぞ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
銭金ぜにかねはさてかっせえ、だが、足を濡らすは、厭なこんだ。)と云う間もえ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
川端のかあちゃんは甲種合格だってね、おらとこの忠はまだ抽籤くじは済まねえが、海軍にられべってこんだ、俺もかせげる男の子はなし、忠をとられりゃ作代さくだいでも雇うべい、国家の為だ、仕方が無えな
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
わし此家こっちへ奉公に来た翌年あくるとしこんだから、私がハア三十一の時だ、左様すると……二十七八年めえのこんだ、何でも二月のはじめだった、孩児を連れた夫婦の客人が来て、離家はなれに泊って、三日ばかりいたのサ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)