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失敗
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しくじ
ふりがな文庫
“
失敗
(
しくじ
)” の例文
「冗、冗談しちゃいけません師匠、
失敗
(
しくじ
)
ったのに褒美てえのはないでしょう。そんななにもダレさせるようなことをなさらねえでも」
円太郎馬車
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「
何事
(
なに
)
? ……
何
(
ど
)
うしたの? ……何うしたの?」と、気にして聞く。私は、
失敗
(
しくじ
)
った! と、穴にも入りたい心地を
力
(
つと
)
めて隠して
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
失敗
(
しくじ
)
つたんぢやァないだらうか、このまんま枯れてしまふんぢやァあるまいか、わたくしにもありやうは心細くさう思はれたのである。
萩
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
牛肉とさえ言えば
何処
(
どこ
)
でも同じ事だと思って内ロースをシチューにしたり、
硬
(
こわ
)
い肉をビフテキにしたりして毎度
失敗
(
しくじ
)
っていました。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
やりはねて、また
失敗
(
しくじ
)
るようなことがあっては困るでね。それよりかやっぱり口を捜して、月給を取っていた方が気楽のように思うがね。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
「僕は又駄目らしい。今日なぞもひどく
失敗
(
しくじ
)
つて了つた。」私はもつと詳しく自分の事を訴へ、弟の樣子も聞き知りたかつた。
受験生の手記
(旧字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
まったく、あの沙漠だけは「
英波石油
(
アングロ・ペルシャン
)
」も捨てている。そうだ、
失敗
(
しくじ
)
りゃ、焼かれて死ぬ。馬鹿をみるのは、此奴だけの話だ。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そのほうは見事に
失敗
(
しくじ
)
った。それで今度の絲満事件も、ほら、なんていうんだ、れいの……資金獲得のためにやったんだろうというんです。
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
これは、何か
失敗
(
しくじ
)
ったり、酔っぱらったりした後で、彼がいつもやる癖であった。どの馬も驚くほど綺麗に磨きたててあった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「なあに、」と啓介は落付いた声で答えた、「起き上れそうな気がしたので、やってみると、すっかり
失敗
(
しくじ
)
ってしまった。」
二つの途
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
敵情を探るためには
斥候
(
せっこう
)
や、
探偵
(
たんてい
)
が苦心に苦心を重ねてからに、命がけで目的を達しやうとして、十に八、九は
失敗
(
しくじ
)
るのだ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
口上さんが申しわけをしている時に、あんなことを言い出さなければよかったに、あれですっかり
失敗
(
しくじ
)
ってしまったんだよ。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
余は実に
失敗
(
しくじ
)
ったと思った。医学士が立って来れば余は暗がりへ隠れる一方だが、それも硝燈を持って来らるればそれ迄だ。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
手品師め、手品には
失敗
(
しくじ
)
つたが、
巧
(
うま
)
い事を言つたもので、少将と蕃山と左源太とは、
各自
(
めいめい
)
腹のなかでは、「その偉い器量人は多分
乃公
(
おれ
)
だな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「気分なんぞ悪くはない。私はただ動物園になりたくないだけなんだ」うっかり口へ出してしまってから、
失敗
(
しくじ
)
った! と思ったがもう遅かった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それらの點で
失敗
(
しくじ
)
るといけないといふ
懸念
(
けねん
)
は、うまれつきな身體の弱さにも増して私を惱ました。その身體の弱さの苦勞も
並大抵
(
なみたいてい
)
ではなかつたが。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「どうも、
失敗
(
しくじ
)
ってばかりいる」と、にんじんは
眩
(
つぶや
)
く——「それに
奴
(
やつ
)
らのきたねえ
涎
(
よだれ
)
で、こら、指がべたべたすらあ」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
——(何ツ! くそツ! 俺も男だ。)——(死んだつて関ふものか、滅茶苦茶に飛び出してやらうか!)——(それで
失敗
(
しくじ
)
るんだよ、落着け/\!)
明るく・暗く
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
津田は
失敗
(
しくじ
)
ったと思った。なぜ早く吉川夫人の来た事を自白してしまわなかったかと後悔した。彼が最初それを口にしなかったのは
分別
(
ふんべつ
)
の結果であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
失敗
(
しくじ
)
ったと思ったが後の祭、「申し遅れましたなんてずるいぞ、卑怯だよ。君は雑誌記者だなんて嘘だろう。
女探偵
(
スパイ
)
じゃないか? 君は僕を脅迫するのか?」
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
木目はよし、小刀の
触
(
さわ
)
りもよいが、武蔵は、彼が珍重して
措
(
お
)
かないのみでなく、
失敗
(
しくじ
)
ると、懸け替えのない材で——と思うと、
刀
(
とう
)
の刻みが、つい硬くなった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
終には三十五年とか勤めてゐた西陣の主人の家をも
失敗
(
しくじ
)
つて、旅から旅と流れ渡る樣になり、身體の自由が利かなくなつて北海道からこの郷里に歸つて來たのが
山寺
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
堅
(
かた
)
そうで痛そうであった。自分は変に不愉快に思った。疲れ切ってもいた。一つには今日の
失敗
(
しくじ
)
り方が余りひど過ぎたので、自分は反抗的にもなってしまっていた。
泥濘
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
悲しみとか
失敗
(
しくじ
)
つたとかいふ區別のない一種の空腹時のやうな手頼りのない感慨が、そこら一杯にひろがつて來ても、それを選りあらためることの出來ない頭腦には
神のない子
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
「名案——と、申すほどでは、ござりませぬが、
失敗
(
しくじ
)
っても、御当家の迷惑にならず、行くのは目付役として、拙者一人でよろしく、ただ、
金子
(
きんす
)
が、少々かかります」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
田地まで売って大阪や神戸へ行った者が、よくみい、たいていは
失敗
(
しくじ
)
ってヒョコヒョコ戻ってくるじゃないか。
儲
(
もう
)
けて他所の銭を持って戻る者は十人に一人もありゃせん。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
無理に将軍家を花見に誘い、毒塗り小柄で討ち取ろうとした。ところがそいつが
失敗
(
しくじ
)
ったので、会員中の美人を利用し、大奥の庭へ入りこませ好色の将軍家を誘い出したのだ。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
僕は中学校へ入る時も二度
失敗
(
しくじ
)
っている。受験苦というものを
具
(
つぶ
)
さに嘗めた。それが皆自分の実力の致すところでなくて、
偏
(
ひとえ
)
に菊太郎君のお蔭だと思うと、今更恨めしくなる。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
新「イヽエ私もそれが知れゝば
失敗
(
しくじ
)
って
此家
(
こゝ
)
には居られないから、唯
一寸
(
ちょっと
)
並んで寝るだけ、肌を一寸
触
(
ふれ
)
てすうっと出ればそれで
断念
(
あきら
)
める、唯ごろッと寝て直ぐに出て
行
(
ゆ
)
くから」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とうとう
失敗
(
しくじ
)
っちゃった。惜しい事をしちゃいましたよ。もう来ないかも知れないなあ
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
旅から帰ってみりゃ、お前が間男しとって、
腸
(
はらわた
)
は煮えくりかえるごとあるが、明日のパナマ丸を
失敗
(
しくじ
)
っては、おれの男が立たん。話は全部、パナマ丸の後にする。……マン、ええな?
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
イヤ……アハハハハ……これあ
失敗
(
しくじ
)
った。うっかりネタを
曝
(
ば
)
らしちゃった。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ひろく
油渡世
(
あぶらとせい
)
のほうにまで商売の手を伸ばすにつけては、いま、お城のそのほうの御用を一手に引き受けて来た神田三河町の伊豆屋伍兵衛が、婿の神尾喬之助の一件で
失敗
(
しくじ
)
っている時だから
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
省吾は克く勉強する
質
(
たち
)
の生徒で、図画とか、習字とか、作文とかは得意だが、
毎時
(
いつも
)
理科や数学で
失敗
(
しくじ
)
つて、丁度十五六番といふところを上つたり下つたりして居る。不思議にも其日は好く出来た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『これまで私は何度も何度も
失敗
(
しくじ
)
りましたが、今度こそは‥‥』
探偵小説アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「すっかり
失敗
(
しくじ
)
って了ったんです、素人探偵は駄目ですよ」
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「なるほど。……それで、どうして
失敗
(
しくじ
)
ったのじゃ。」
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「それが
失敗
(
しくじ
)
ったよ」と、半七は額に皺をみせた。
半七捕物帳:37 松茸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
俺も
失敗
(
しくじ
)
ったよ。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
あんなものは最初五、六遍
失敗
(
しくじ
)
って覚え込むまでは大層面倒なようですけれどもすっかり覚え込むと案外に無造作なものです。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
敵情を探るためには
斥候
(
せっこう
)
や、探偵が苦心に苦心を重ねてからに、命がけで目的を達しようとして、十に八九は
失敗
(
しくじ
)
るのだ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
いずく
)
んぞ知らん、顔の
創痍
(
そうい
)
は他人の女に手を出して
失敗
(
しくじ
)
った記念で、
勁抜
(
けいばつ
)
の一文はソールズベリー卿の論文をそッくりそのまま借用したものに過ぎぬ。
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その神尾様がこちらを
失敗
(
しくじ
)
ったものだから、甲府詰を
仰付
(
おおせつ
)
かったのだ。お旗本で甲府詰になるのはよくよくで、もう二度と浮ぶ瀬がないようなものだ。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それでは、まづく唄ふと
御褒美
(
ごはうび
)
を下さるといふことになりますね。ぢあ、私は
失敗
(
しくじ
)
るように努力致しませう。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
わざと
喧
(
やかま
)
しく言って
脅
(
おどか
)
して見るのだろうという気もする。あれくらいなことは、今日は
失敗
(
しくじ
)
っても、二度三度と慣れて来れば造作なく出来そうにも思える。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
万事を
明日
(
あす
)
に譲る覚悟をきめた彼は、
幾度
(
いくたび
)
かそれを招き寄せようとして
失敗
(
しくじ
)
ったあげく、右を向いたり、左を下にしたり、ただ
寝返
(
ねがえ
)
りの数を重ねるだけであった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「こりゃ、いかん。
驕魔台
(
ヤツデ・クベーダ
)
へゆかぬうちに、夜が明けてしまう。おい俺たちはまんまと
失敗
(
しくじ
)
ったぞ」
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
まえのときじり/\と遠巻にして行こうとして
失敗
(
しくじ
)
ったから……それにはそのときとは時勢も違って来ているから、今度は一
ト
おもいに強引にひねろうとしているんだ。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「そりゃまあ、何にもせよいまの私は
失敗
(
しくじ
)
っているのだから大きなこともいえないけれど」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
品物の仕入れが
拙
(
まず
)
くいったのかというと、客は相当に品物に気を惹かれたように欲しそうな顔を見せているところから考えれば、仕入れが
失敗
(
しくじ
)
ったというわけでもございません。
蒲団
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
“失敗”の解説
失敗(しっぱい)
失敗
(出典:Wikipedia)
失
常用漢字
小4
部首:⼤
5画
敗
常用漢字
小4
部首:⽁
11画
“失敗”で始まる語句
失敗話
失敗者
失敗談
失敗譚
失敗箇所