はぎ
おやくそくの萩の根、いつでも分けてさし上げます。おついでのせつ御来園まち上げます、と百花園の佐原平兵衛君からはがきが来た。四月のはじめのことである。……さういはれたからとて、右からひだり、おいそれとすぐ出かけて行けるいまの身の上ではない。… …