円太郎馬車えんたろうばしゃ
暮れも押し詰まった夜の浅草並木亭。 高座では若手の落語家橘家圓太郎が、この寒さにどんつく布子一枚で、チャチな風呂敷をダラリと帯の代わりに巻きつけ、トボけた顔つきで車輪に御機嫌を伺っていた。 クリッとした目に愛嬌のある丸顔の圓太郎がひと言しゃ …