“懐手”の読み方と例文
旧字:懷手
読み方割合
ふところで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火鉢の火の灰になったのもそのままに重吉は懐手ふところでしてぼんやり壁の上の影法師を眺めている。やがて小女が番茶を入れて持って来た。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私は、暑気の中に懐手ふところでして、めあてなく街を歩いた。額に、窓の開く音が、かすかに、そして爽やかに、絶え間なくきこえてゐた。
薄寒い月のない晩で、頭巾に顔を隠すには好都合ですが、着膨れて、懐手ふところでまでしているので、何となく掛引の自在を欠きそうです。