ふるさとに寄する讃歌ふるさとによするさんか――夢の総量は空気であつた――――ゆめのそうりょうはくうきであった――
私は蒼空を見た。蒼空は私に泌みた。私は瑠璃色の波に噎ぶ。私は蒼空の中を泳いだ。そして私は、もはや透明な波でしかなかつた。私は磯の音を私の脊髄にきいた。単調なリズムは、其処から、鈍い蠕動を空へ撒いた。 私は窶れてゐた。夏の太陽は狂暴な奔流で鋭 …
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