“塋墳”の読み方と例文
読み方割合
えいふん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから、彼自らの塋墳えいふんは、彼の弛ゆみない探索によつて探し当てたものであつたが、墓地の全く片隅の湿りの深い垣根際に、無花果のバサバサとした葉の陰に、鈍くブスブス燻されてゐた。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
無言の影に言葉を与へ、無数の傷に血を与へやうと思つた。虚偽の泪を流す暇はもう私には与へられない。全てが切実に切迫してゐた。私は生き生きと悲しもう。私は塋墳えいふんへ帰らなければならない。