“懷手”の読み方と例文
新字:懐手
読み方割合
ふところで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なんて挨拶だ。いきなり人の前へ坐つて、懷手ふところでをしたまゝ長いあごを撫でながら——暇ですかえ——といふ言ひ草は?」
これが半纏はんてんむかうはちまき威勢ゐせいいのでなく、古合羽ふるがつぱ足駄穿あしだば懷手ふところでして、のそり/\と歩行あるきながらぶゆゑをかし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
書きかけの英作文にも取り留めのない疑ひのみ頻りに起つて容易に書き續けられなかつたので、懷手ふところでをしてぼんやり、風にうめいてゐる障子を見てゐた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)