“幾干”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いくら53.1%
いくばく34.4%
いくそ4.7%
いくつ3.1%
いく1.6%
いくせん1.6%
いくらか1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三ちゃん、お前さんのとこなんぞも、やっぱりこうかねえ、浜へはちっとでも放れているから、それでも幾干いくらか少なかろうねえ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼が生立おひたちの状況洋行の源因就学の有様を描きたりとて本篇に幾干いくばくの光彩を増すや、本篇に幾干の関係あるや、予はがうも之が必要を見ざるなり。
舞姫 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
鴫立沢しぎたつさはの夕暮につゑとゞめて一人歎き、一人さまよふ武蔵野に千草の露を踏みしだき、果白河の関越えて幾干いくその山河隔たりし都の方をしのぶの里、おもはくの橋わたり過ぎ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
年輩四十幾干いくつ、骨格のたくましい、頭髪の長生のびた、四角な顔、鋭い眼、大なる鼻、一見一癖あるべき人物で、其風俗は官吏に非ず職人にあらず、百姓にあらず、商人にあらず
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
幾干いくらだと思う。——お思いなすって、槙村先生。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あつさはざつへいうへから二階家にかいや大屋根おほやねそらて、はゞひろさはのくらゐまでみなぎつてるか、ほとん見當けんたうかない、とふうちにも、幾干いくせんともなく、いそぎもせず、おくれもせず、さへぎるものをけながら
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
主膳は紙に包んで幾干いくらかの金をやりました。金助は崩れるほど嬉しがって、それを幾度かおしいただきました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)