“いくつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
幾歳46.1%
幾個24.3%
何歳10.4%
幾箇4.6%
幾年2.9%
幾何1.8%
幾許1.4%
何箇1.4%
何個1.1%
幾才0.7%
幾基0.7%
幾干0.7%
幾部0.7%
一体幾歳0.4%
各箇0.4%
0.4%
幾台0.4%
幾川0.4%
幾度0.4%
幾羽0.4%
幾顆0.4%
幾齢0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはもう幾歳いくつになつたから親に別れて可いと理窟りくつはありませんけれど、いささか慰むるに足ると、まあ、思召おぼしめさなければなりません
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
カチカチ山の狸と兎が背負っているような、恰好のいい蒔の束が、見る間に幾個いくつも幾個も出来たのを、土蔵の背後うしろに高々と積上げた。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
兼「なんでございますねえ、本当にお堅いねえ、嬢様が余程よっぽどなんしていらっしゃいますのに、貴方お何歳いくつでいらっしゃいますえ」
されど旅客の來りていこふものもなければか、店頭みせさきには白き繭の籠を幾箇いくつとなく並べられ、客を待てる準備よういは更に見えず。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
「一層よいの、処女に限る。……其方そち幾年いくつだ? 二十九だったかな。年から云っても盛りは過ぎた。もう俺には興味はない。……代りに千浪をよこすがよい」
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
秀子「私は茲へ来るのに八時間掛かりました、昼の十二時から夜の八時過まで、ハイ来る路に分らぬ所や錠の錆附いて、開かぬ戸などが幾何いくつも有りまして、寧そ途中で死んだ方が好ったのに」
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
くは何者ぞと問へば此家の娘なりといふ容貌さまかたちも温泉にあらひて清げならん年は幾許いくつぞ。
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
実にその相互に異ったる状態を有せる曲線の即ち弧という奴の数は何箇いくつあるか知れない。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
勿論もちろん此樣こん絶島ぜつたうことだから、けつして立派りつぱ建築たてものではない、けれどなり巨大おほき板家いたやで、もんには海軍かいぐんいへ筆太ふでぶとしるされ、ながき、不恰好ぶかくかうへや何個いくつならんでへるのは
春「私はね、もうねお屋敷へ一度参った事がございますがね、其の時分は幼少の時で、まアお見違みそれ申しました、まだ貴方のお小さい時分でございましたからさっぱり存じませんで、大層お立派におなり遊ばしたこと、お幾才いくつにおなり遊ばした」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今年銅像を建てたと云う大山島、東郷島がある。昔此辺の領主であったと云う武家の古い墓が幾基いくつも立って居る島もあった。夏は好い遊び場であろう。今は寂しいことである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
幾干いくつも幾干も有るのでございまするが、小説中の人物と実社会の人物との関係と申す事は、取り分け重要であり、かつまた切実な点であることは申すまでもない事だと存じまするのでございます。
当時に有名なうての番匠川越の源太が受負ひて作りなしたる谷中感応寺の、何処に一つ批点を打つべきところ有らう筈なく、五十畳敷格天井がうてんじやうの本堂、橋をあざむく長き廻廊、幾部いくつかの客殿、大和尚が居室ゐま
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「君、お清は一体幾歳いくつになるんだろう。」と周平は突然尋ねた。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
各箇いくつかの団体の、いろいろの彩布の大旗小旗の、それが朝風に飜って居る勇しさに、凝乎じっ見恍みとれてお居でなさった若子さんは、色の黒い眼の可怖こわい学生らしい方に押されながら、私の方を見返って
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
Nさんは六十いくつだが、気持は青年である。この碁会所は帝大の碁の選手の稽古場になつてゐるが、さういふ若い学生や僕達と酒をのむことが好きである。
市井閑談 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
人や馬の曳く雪橇ゆきぞり幾台いくつか丑松の側を通り過ぎた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
うして大阪近くなると、今の鉄道の道らしい川を幾川いくつわたって、有難ありがたい事にお侍だから船賃はただかったが、日は暮れて暗夜やみよ真暗まっくら、人に逢わなければ道を聞くことが出来ず
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
おゝおゝ、如何か仕ましたか。大きな、大きな鉄槌げんのうで、黙つて坐つて居る父様の、頭を打つて幾度いくつも打つて、頭が半分こはれたので坊は大変吃驚した。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
暁闇ぎょうあんはぎのしずれに漂っていた。小蝶が幾羽いくつもつばさを畳んで眠っていた。離家はなれの明けてある戸をはいってゆくと、薄暗い青蚊帳あおがやの中に、大きな顔がすっかりゆるんでいた。
その時蜜柑山に蜜柑がべたりに生る景色を始めて見た。蜜柑取りに一枝売ってくれと云ったら、幾顆いくつでも上げますよ、持っていらっしゃいと答えて、の上で妙なふしうたをうたい出した。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そうかい。奉公に行くのかい。お前は幾齢いくつになった」