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幾歳
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いくつ
ふりがな文庫
“
幾歳
(
いくつ
)” の例文
「君達は
幾歳
(
いくつ
)
になっても子供だから困るよ。こんなくだらない狂言を書かずに前もって知らせてくれゝば案内のしようもあったのに」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それはもう
幾歳
(
いくつ
)
になつたから親に別れて可いと
謂
(
い
)
ふ
理窟
(
りくつ
)
はありませんけれど、
聊
(
いささ
)
か慰むるに足ると、まあ、
思召
(
おぼしめ
)
さなければなりません
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
誰は
幾歳
(
いくつ
)
、誰は何歳と判じ合つてゐたところが、百貨店の支配人が、高木氏の年齡をいくつ位ゐかと問はれたのに對して、言下に
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
「うそよ、梨枝ちやん……そんな変なことぢやないのよ。どら、もう一度、見せて頂戴……。それ、ママの
幾歳
(
いくつ
)
の時かしら……?」
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「また、詰らないことを言出したよ。
幾歳
(
いくつ
)
だねえ、お前さんは。そんなこと云っていて、人の心配も何も出来るものじゃない。」
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
階段の
昇降
(
あがりおり
)
に、岸本はそこいらに遊び戯れている仏蘭西の子供等の
側
(
そば
)
へよく行った。皆が
幾歳
(
いくつ
)
になるかということをよく尋ねた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何も不思議は無いサ、その頃はウラ若いんだからね、岡本君はお
幾歳
(
いくつ
)
かしらんが、僕が同志社を出たのは二十二でした。十三年も昔なんです。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
森君は三十
幾歳
(
いくつ
)
の今年まで独身で、
老婢
(
ばあや
)
ひとりと書生一人の気楽な生活である。雑誌などへ時どき寄稿するぐらいで、別に定まった職業はない。
慈悲心鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あなたはお
幾歳
(
いくつ
)
でしたかしら。お
年齢
(
とし
)
のことも考えていただきたい——そう言われたようにひびいて、年上のお蓮様は、ゲンナリしてしまいました。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「たとえ
幾歳
(
いくつ
)
に見えようと年はやはり年でござる」「よろしいそれでは注意して柔かくあしらってやりましょう」「さようさ、それならよろしかろう」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
汝
(
そなた
)
は
幾歳
(
いくつ
)
とや十九か二十か、我れに比らべてよほどの弟とおぼゆるに、我れはまあ
幾歳
(
いくつ
)
ほどに見ゆるぞや、されば一
ツ
二
ツ
の※君か、何として何として
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
本当にこんな親孝行者に苦労をさせて
好
(
い
)
い気になってちゃア済まないよ、お前
幾歳
(
いくつ
)
におなりだ、四十の坂を越して、何うしたんだねまア、此の
娘
(
こ
)
に不孝だよ
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼女は兩親が
亡
(
な
)
くなつてから何年になるかと
訊
(
き
)
いた。それから、
幾歳
(
いくつ
)
になるか、名は何んと云ふのか、讀んだり、書いたり、お
裁縫
(
はり
)
が少しは出來るかと
訊
(
き
)
いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「おい万作! お前は
幾歳
(
いくつ
)
になつた。」と問ひますと「十二です!」と元気よく答へますが、其時「来年は
何歳
(
いくつ
)
になる?」と問ひますと、もう黙つてしまひます。
蚊帳の釣手
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
伊勢佐木町
(
いせざきちょう
)
の手前でタキシイを乗り
棄
(
す
)
て、繁華な通りをぶらついたが、
幾歳
(
いくつ
)
になっても気持の若い雪枝は、子供のように
悦
(
よろこ
)
んで支那服姿で身軽に飛び歩いていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「当り前さ、今から死んでたまるものかね。そう言えば、お前さん今年
幾歳
(
いくつ
)
になったんだっけね?」
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
娘は自分より
幾歳
(
いくつ
)
の姉で、自分は娘の前では小児であるということ,また娘はただ一時の
逗留客
(
とうりゅうきゃく
)
で日ならずこの土地を去る人ということ,自分は娘を愛しているのか
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
「今曉一時、天王寺の自宅でやつたんだ。先刻知らせがあつたものだから一寸行つて來たが、悲慘だよ。細君と、子供が三人、六十
幾歳
(
いくつ
)
だかになるお母さんが居る。」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
まだ
唐人髷
(
とうじんまげ
)
に結っていた十
幾歳
(
いくつ
)
かの、乏しいお小遣いで、親に内密で買った湖月抄の第二巻門石の巻の一綴りに、何やかや、竹柏園先生のお講義も書き入れてあるのを
紫式部:――忙しき目覚めに
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「種を見せない以上は何とも云えないが、まあ勘弁してやろう。時に糸公御前今年
幾歳
(
いくつ
)
になるね」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
毎春
(
まいはる
)
年の改まったについて、年ごとに起こる感じが再び
湧
(
わ
)
き
出
(
い
)
で、
俺
(
おれ
)
はもう
幾歳
(
いくつ
)
になったなアと、年を数え二十年前、三十年前に比べて、どれほど進んだか思い
較
(
くら
)
べると
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
というのが死んだ親父の口癖で御座いましたが、全くその通りの
懸価
(
かけね
)
なしで、五十
幾歳
(
いくつ
)
のこの年になって、ようようの事、世間が見えて来ましたがチット遅う御座いましたナア。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
昔、
此
(
こ
)
の島に一人の極めて哀れな男がいた。
年齢
(
とし
)
を数えるという不自然な習慣が此の辺には無いので、
幾歳
(
いくつ
)
ということはハッキリ言えないが、余り若くないことだけは確かであった。
南島譚:01 幸福
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「それは、御愁傷様でございます、お年は
幾歳
(
いくつ
)
でございました」と、主翁が云った。
立山の亡者宿
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
MR
(
ミスタ
)
・シュータン! もう一度あなたの年を教えて欲しい!
幾歳
(
いくつ
)
と言った?」
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「何だ大きな声して——
幾歳
(
いくつ
)
になると思ふ」と云ひさま
跳
(
は
)
ね起きたる剛造の
勢
(
いきおひ
)
に
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
喰居
(
くひゐ
)
るに越前守殿
何
(
どう
)
だ三吉其方の年は
幾歳
(
いくつ
)
になると聞れけるに三吉は早少し
馴染
(
なじみ
)
の
付
(
つき
)
し
體
(
さま
)
にてハイ私は當年十歳になりますと答へければオヽ十歳になるか
能
(
よく
)
答
(
こた
)
へが分る
至極
(
しごく
)
温和
(
おとなし
)
い奴ぢや
今
(
いま
)
尋ねる事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「君は一体
幾歳
(
いくつ
)
になるんだい。井上が大変それを気にしてたぜ。」
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ルピック夫人——お前さんは、もう
幾歳
(
いくつ
)
だっけ、オノリイヌ?
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「男なら
幾歳
(
いくつ
)
ぐらいで、侍か町人か、または百姓か職人か」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「あれは
幾歳
(
いくつ
)
のときのことだったろう」
母子像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「あなたは
幾歳
(
いくつ
)
だと御思ひだえ?」
秘密
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
『面白いのね。お
幾歳
(
いくつ
)
の時です?』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「困ったね。その子、
幾歳
(
いくつ
)
なの」
小さきもの
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
幾歳
(
いくつ
)
になつたか
憶
(
おぼ
)
えてゐるか?
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「宮ちゃん、年は
幾歳
(
いくつ
)
?」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「お玉は
幾歳
(
いくつ
)
だえ」
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お前は
幾歳
(
いくつ
)
だ。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼はその若々しい文句を漢詩の形で遺した人がまだ世にある頃には、愛子なぞが
幾歳
(
いくつ
)
ぐらいの幼い娘であったろうと想って見た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
遊山
(
ゆさん
)
や酒のむためのこの旅かよ。権叔父も、ほどにしたがよい。
幾歳
(
いくつ
)
になっても、又八と同じように、年がいもない人じゃ」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わし
)
は今のお
言
(
ことば
)
で、決して心配はしますまい。現に朝夕飲んでおらるる、——この
年紀
(
とし
)
まで——(と打ち
瞻
(
まも
)
り)お
幾歳
(
いくつ
)
じゃな。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しの「はい、
汝
(
われ
)
は本当に辛抱人に成ったかえ、何んとマア魂消たな年は取ろうもんで、汝はもう
幾歳
(
いくつ
)
に成る」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ああ
尋
(
たず
)
ねたよ姉さんの事を。『あなたの姉さんお
幾歳
(
いくつ
)
?』てね。
厭
(
いや
)
に気取った云い方でね」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その時の彼は
幾歳
(
いくつ
)
だったか
能
(
よ
)
く覚えていないけれども、何でも長い間の修業をして立派な人間になって世間に出なければならないという慾が、もう充分
萌
(
きざ
)
している頃であった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
故郷
(
こきやう
)
の
風景
(
ふうけい
)
は
舊
(
もと
)
の
通
(
とほ
)
りである、
然
(
しか
)
し
自分
(
じぶん
)
は
最早
(
もはや
)
以前
(
いぜん
)
の
少年
(
せうねん
)
ではない、
自分
(
じぶん
)
はたゞ
幾歳
(
いくつ
)
かの
年
(
とし
)
を
増
(
ま
)
したばかりでなく、
幸
(
かう
)
か
不幸
(
ふかう
)
か、
人生
(
じんせい
)
の
問題
(
もんだい
)
になやまされ、
生死
(
せいし
)
の
問題
(
もんだい
)
に
深入
(
ふかい
)
りし
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「大きくなったな。お庄さんは
幾歳
(
いくつ
)
になるえね。」と、お庄の丸い顔を
覗
(
のぞ
)
き込んだ。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
後家
(
ごけ
)
を立て通すが
女性
(
をんな
)
の
義務
(
つとめ
)
だと言はしやる、当分は其気で居たものの、まア、長二や、
勿体
(
もつたい
)
ないが、
父
(
おや
)
を
怨
(
うら
)
んで泣いたものよ——お前は今年
幾歳
(
いくつ
)
だ、三十を一つも出たばかりでないか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「ヘエ。
幾歳
(
いくつ
)
になりますか存じませんが。ヘエ。去年の夏の末頃までこの裏山に住んでおりまして、父親の跛爺の門八は、村役場の走り使いや、
避病院
(
ひびょういん
)
の番人など致しておりましたが……」
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あゝは
見
(
み
)
えますれど
彼
(
あ
)
れで
中々
(
なか/\
)
の
苦勞人
(
くらうにん
)
といふに、
夫
(
そ
)
れはまあ
幾歳
(
いくつ
)
のとし
其戀
(
そのこひ
)
出來
(
でき
)
てかと
奧樣
(
おくさま
)
おつしやれば、
當
(
あ
)
てゝ
御覽
(
ごらん
)
あそばせ
先方
(
むかう
)
は
村長
(
そんちやう
)
の
妹
(
いもと
)
、
此方
(
こちら
)
は
水計
(
みづばかり
)
めし
上
(
あが
)
るお
百姓
(
ひやくしやう
)
、
雲
(
くも
)
にかけ
橋
(
はし
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私は
玩具
(
おもちゃ
)
が
好
(
すき
)
です、
幾歳
(
いくつ
)
になっても
稚気
(
ちき
)
を脱しない
故
(
せい
)
かも知れませんが、今でも玩具屋の前を
真直
(
まっすぐ
)
には通り切れません、ともかくも立停って
一目
(
ひとめ
)
ずらりと見渡さなければ気が済まない位です。
我楽多玩具
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
歳
常用漢字
中学
部首:⽌
13画
“幾歳”で始まる語句
幾歳位