南島譚なんとうたん01 幸福01 こうふく
昔、此の島に一人の極めて哀れな男がいた。年齢を数えるという不自然な習慣が此の辺には無いので、幾歳ということはハッキリ言えないが、余り若くないことだけは確かであった。髪の毛が余り縮れてもおらず、鼻の頭がすっかり潰れてもおらぬので、此の男の醜貌 …
作品に特徴的な語句
長老ルバック いず 海鰻カシボクー とっ おのれ 手槍ピスカン 環礁リーフ たたり 蛸樹オゴル すべ 司祭コロン かつ ゆか そこな 海嘯かいしょう おそ 空咳からぜき ほま これ しま また 何時いつ 其等それら はげ 勾玉まがたま ひる 午睡ひるね 叮寧ていねい 可笑おか 呉蓙ござ せき 唯々いい さえず もと うずたか 大蛸おおだこ 如何いか たの 婢僕ひぼく 婢女はしため ねた はら 屹立きつりつ 巍然ぎぜん おの 干潟ひがた 年齢とし 幾歳いくつ あと まど 慇懃いんぎん おそ 所為せい かす そこ ひと こずえ 母屋おもや ようや つぶ 爾来じらい 玳瑁たいまい 珠貨ウドウド 生命いのち まと 盈欠みちかけ たらい ほこら つい 章魚たこ 節々ふしぶし かか ふと くちびる 芋田ムセイ 蒸焼むしやき しいた 蚯蚓みみず かえる 蜈蚣むかで 諸共もろとも いや あがな 躊躇ちゅうちょ ひど
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