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幾羽
読み方 | 割合 |
いくわ | 55.6% |
いくは | 33.3% |
いくつ | 11.1% |
『お
母ちゃんにしかられるからよしたがいい。』と、
電線にとまっているつばめが
幾羽も、
口々にさえずりながら
止めたのであります。
河の
面は悲しく灰色に光つてゐて、冬の日の
終りを急がす
水蒸気は対岸の
堤をおぼろに
霞めてゐる。
荷船の
帆の
間をば
鴎が
幾羽となく飛び
交ふ。
暁闇が
萩のしずれに漂っていた。小蝶が
幾羽もつばさを畳んで眠っていた。
離家の明けてある戸をはいってゆくと、薄暗い
青蚊帳の中に、大きな顔がすっかりゆるんでいた。