“幾羽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いくわ55.6%
いくは33.3%
いくつ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『おかあちゃんにしかられるからよしたがいい。』と、電線でんせんにとまっているつばめが幾羽いくわも、口々くちぐちにさえずりながらめたのであります。
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
かはおもては悲しく灰色に光つてゐて、冬の日のをはりを急がす水蒸気すゐじようきは対岸のつゝみをおぼろにかすめてゐる。荷船にぶねあひだをばかもめ幾羽いくはとなく飛びちがふ。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
暁闇ぎょうあんはぎのしずれに漂っていた。小蝶が幾羽いくつもつばさを畳んで眠っていた。離家はなれの明けてある戸をはいってゆくと、薄暗い青蚊帳あおがやの中に、大きな顔がすっかりゆるんでいた。