幾羽いくわ)” の例文
『おかあちゃんにしかられるからよしたがいい。』と、電線でんせんにとまっているつばめが幾羽いくわも、口々くちぐちにさえずりながらめたのであります。
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
池の上には、ろうでできたハクチョウが、幾羽いくわもあそんでいて、そのまっ白な姿が、池の上に美しくうつっていました。なにもかも、ほんとうにかわいらしく見えました。
それでも樹木じゅもくを植え、吾が種をき、我が家を建て、吾が汗をらし、わが不浄ふじょうつちかい、而してたま/\んだ吾家の犬、猫、鶏、の幾頭いくとう幾羽いくわを葬った一町にも足らぬ土が
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
つばめは、幾羽いくわとなくならんで、電線でんせんまっています。そして、いていました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今夜こんやかえっておいでなさる。」と、おかあさんはしんじて、くらうみほうていられると、ふいに夜嵐よあらしまどきつけるように、幾羽いくわともなく、くろ海鳥かいちょうが、あおいランプのがけて
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)