何個いくつ)” の例文
「どうだ諸君こうやって出そうとすれば、何個いくつでも出せる。しかしそう玉子ばかり出してもつまらないから、今度こんだは一つ生きたとりを出そう」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
勿論もちろん此樣こん絶島ぜつたうことだから、けつして立派りつぱ建築たてものではない、けれどなり巨大おほき板家いたやで、もんには海軍かいぐんいへ筆太ふでぶとしるされ、ながき、不恰好ぶかくかうへや何個いくつならんでへるのは
細長い陶器せとものの火鉢を各自めいめいに出すのがこの家の習慣に成っていた。その晩はある音楽者の客もあって、火鉢が何個いくつも出た。ここはすべてが取片付けてあって、あまり部屋を飾る物も置いて無い。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)