お其はだまって見ていたが——たんばほおずきが幾個破られて捨られてもだまって見ていたが、そのまま帰りかけると、大きな声で
旧聞日本橋:02 町の構成 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
いつの間にそういう心持が起って居たか、自分には少しも判らなかったが、やはり母に叱られた頃から、僕の胸の中にも小さな恋の卵が幾個か湧きそめて居ったに違いない。
……その横町の入口に、幾個も軒灯が出ているから、その内に菊水と書いたのもありますよ。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
四日間 (新字新仮名) / フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン(著)
旧聞日本橋:20 西川小りん (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
旧聞日本橋:12 チンコッきり (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
旧聞日本橋:16 最初の外国保険詐欺 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
よし又讀み得たにした處が、幾個も返り點をつけて見ねばならぬ古典的な文體が、少しも自分の感情に伴はないので、血族の情愛どころか、同じ時代に生きてゐる人の心持さへしない事がある。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)