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伴侶
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つれ
ふりがな文庫
“
伴侶
(
つれ
)” の例文
そして更に氣のついた時には、この親子は男の
伴侶
(
つれ
)
であるやうにわざと寄り添ひ、末野は、女とすれすれに歩いてしきりに話しかけた。
末野女
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
自分は三沢と
飽
(
あ
)
かず女の話をした。彼の
娶
(
めと
)
るべき人は宮内省に関係のある役人の娘であった。その
伴侶
(
つれ
)
は彼女と仲の好い友達であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの愉快な
伴侶
(
つれ
)
の大声で笑っている風と、それから人間と、人間の恐怖と人間の小さい都市と、そのあとは大きな河流と荒れた空地と大きな新しい山と
人馬のにひ妻
(新字新仮名)
/
ロード・ダンセイニ
(著)
あの
終宵
(
よっぴて
)
伴侶
(
つれ
)
を呼ぶような、耳についた声は、怪しく胸騒ぎのするまで捨吉の心を憂鬱にした。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一緒に連れ立つて来てゐるBの
伴侶
(
つれ
)
が、普通の女のやうに、さうした冒険に同意しなかつたならば、矢張その結果は同じことで、そのまゝお了ひになつて了つたであらうが
山間の旅舎
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
謎の女の姓名は園原雪枝と呼ばれていたが、雪枝は時々洋装姿を黒の逸物にゆらりと載せ拮屈たる木曾の峠路を風のように
駛
(
はし
)
らせる事があったが、大概は男の
伴侶
(
つれ
)
があった。
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
前者は一群をなして横に動き、ベッセルの
伴侶
(
つれ
)
はこれを見て鳥の群れが動くようだといい、舟子は同所において、その以前にも、かかる火をたびたび見たことがあるといった。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「
貴方
(
あなた
)
を、
伴侶
(
つれ
)
、伴侶と思います。あ、あ、あの、楽屋の中が、探険、……」
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は今までかつて感知したことのなかったまぼろしの社会というものに対して
渇望
(
かつぼう
)
していたので、実生活の間にそれを
漁
(
あさ
)
ると同時に、わたしの幽霊の
伴侶
(
つれ
)
に長いあいだ逢えないでいるということに
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
私はそんな風にして、
伴侶
(
つれ
)
もなく話相手もなく、全く独りぽつちで終日店番をして居なければならなかつた。身体を崩すことが出来ないばかりでなく、同じ様に一刻も心を
弛
(
ゆる
)
めることが出来なかつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
自分に都合の好い
理窟
(
りくつ
)
を勝手に
拵
(
こし
)
らえて、何でも津田を引張ろうとする小林は、彼にとって少し迷惑な
伴侶
(
つれ
)
であった。彼は冷かし半分に
訊
(
き
)
いた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
身の迅さは朝の日の上ぼらぬ前に何処かの
市
(
まち
)
の塔の上に唄うべくあかつきの中から飛びのぼる鳥のようであった。彼と風とは中よしの
伴侶
(
つれ
)
であった。歓喜のあまり彼は歌の如く感じた。
人馬のにひ妻
(新字新仮名)
/
ロード・ダンセイニ
(著)
……唄の声がこの月に、
白玉
(
しらたま
)
の露を
繋
(
つな
)
いで、
蓬
(
おどろ
)
の草も
綾
(
あや
)
を織って、目に
蒼
(
あお
)
く映ったと思え。……
伴侶
(
つれ
)
が非常に感に打たれた。——山沢には
三歳
(
みッつ
)
になる小児がある。……里心が出て堪えられん。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
木村常陸介はこう云いながら
伴侶
(
つれ
)
の山尾を返り見た。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼の車室内へ運んでくれた
果物
(
くだもの
)
の
籃
(
かご
)
もあった。その
葢
(
ふた
)
を開けて、二人の
伴侶
(
つれ
)
に夫人の贈物を
配
(
わか
)
とうかという意志も働いた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると
聯想
(
れんそう
)
がたちまち
伴侶
(
つれ
)
の方に移って、女が
旦那
(
だんな
)
から買って
貰
(
もら
)
った
革
(
かわ
)
の手袋を
穿
(
は
)
めている
洋妾
(
らしゃめん
)
のように思われた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
伴侶
(
つれ
)
は
若
(
わか
)
い女であつた。代助はまだ
廿
(
はたち
)
になるまいと判定した。羽織を
着
(
き
)
ないで、普通よりは大きく
廂
(
ひさし
)
を
出
(
だ
)
して、多くは
顎
(
あご
)
を
襟元
(
えりもと
)
へぴたりと
着
(
つ
)
けて
坐
(
すは
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
伴侶
(
つれ
)
は若い女であった。代助はまだ
二十
(
はたち
)
になるまいと判定した。羽織を着ないで、普通よりは大きく
廂
(
ひさし
)
を出して、多くは顎を襟元へぴたりと着けて坐っていた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼はこう云って隣りにいる自分の
伴侶
(
つれ
)
を顧みた。
中折
(
なかおれ
)
の人は仕方なしに「ああ」と答えた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
着いた時には五六人の
伴侶
(
つれ
)
がいたが、帰りにはたった一人になっていたと下女は告げた。自分はその五六人の伴侶の
何人
(
なんびと
)
であるかについて思い悩んだ。しかし想像さえ浮ばなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「君大阪へ着いたときはたくさん
伴侶
(
つれ
)
があったそうじゃないか」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“伴侶”の意味
《名詞》
伴 侶(はんりょ)
一緒に連れ立つ者。
配偶者。
(出典:Wiktionary)
伴
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
侶
常用漢字
中学
部首:⼈
9画
“伴”で始まる語句
伴
伴天連
伴奏
伴立
伴人
伴野
伴船
伴蒿蹊
伴作
伴造