“揉出”の読み方と例文
読み方割合
もみだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一言ずつ、呼気いきくと、骨だらけな胸がびくびく動く、そこへ節くれだった、爪の黒いてのひらをがばと当てて、上下うえしたに、調子を取って、声を揉出もみだす。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
半纏の肩から小児こどもの顔を客の方へ揉出もみだして、それ、小父おじさんに(今日は)をなさいと、顔と一所に引傾ひっかたげた。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
変に、犬の腹から声を揉出もみだすようで、あ、あの婆さんの、時々ニヤリとする歯が犬に似ている。薄暮合うすくれあいに、じっとしている犬の不気味さを、私は始めて知りました。……
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)