“眇然”の読み方と例文
読み方割合
びょうぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世の中に自分の母の心のうちを見抜いたものは一人いちにんもない。自分の母を見抜かなければ自分に同情しようはずがない。甲野さんは眇然びょうぜんとして天地のあいだかかっている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この「ガ」が、藕糸孔中ぐうしこうちゅう蚊睫ぶんしょうの間にも這入はいりそうなこの眇然びょうぜんたる一小「ガ」が、眼のうちの星よりも邪魔になり、地平線上に現われた砲車一片の雲よりもおそろしい。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
英吉利刈イギリスがりの新式な頭は、眇然びょうぜんたる「過去」の前に落ちた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)