いすか)” の例文
かの女はさかんに燃えるような一つの火になったかと思うほど、いすかになるほど、強烈な凝視をつづけたのであった。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ことにいまはいすかになったような斜視がたえまなく白い糸のようなものを壁のそとにそそいでいるようであった。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
女はそのとき鋭くあたりに目をくばって、そこらの棚や仕上物や材木のあたりを凝視みつめ出した。そのとき不思議に女の眼がだんだんいすかになり出してきたのである。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)