“かため”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
片眼33.3%
片目16.7%
16.7%
隻眼6.7%
警固6.7%
眇目3.3%
契約3.3%
守備3.3%
3.3%
3.3%
警護3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はチョッキのポケットからペンナイフを取り出し、それを開き、そのかわいそうな動物の咽喉のどをつかむと、悠々ゆうゆうとその眼窩がんかから片眼かためをえぐり取った。
黒猫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
そして、いつも皇子おうじは、くろのシルクハットをかぶり、燕尾服えんびふくておいでになります。そして片目かためなので、くろ眼鏡めがねをかけておいでになるということです。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くばまづ品川新宿板橋千住の大出口おほでぐち四ヶ所へは人數千人づつかためさせ其外九ヶ所の出口でぐちへは人數五百人づつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
武士はいまだかつて隻眼かための仏像を見たことがなかったし、またあるべきはずもないと思ったので、眼のせいではないかと思って見なおした。しかし、やっぱり仏像の左の眼は潰れているのであった。
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
〆切しめきり町内の自身番屋には鳶の者火事裝束にて相詰あひつめたり程なく惣人數そうにんずは數寄屋橋御門へ來しに見附は常よりも警固かための人數多く既に天一坊の同勢どうぜい見附みつけ這入はひれば門を〆切しめきりそれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それも然しうやらうやら収りがついた。が、眇目かための教師はそれなり余り口を利かなかつた。従つて肝腎の授業の批評は一向えなかつた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一同何を言ひ出すのかと片唾かたづをのんだ。常から笑ふ事の少い眇目かための教師の顔は、此の日殊更苦々しく見えた。そして語り出したのは次のやうな事であつた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
花車ははるかに此の様子を聞いて、惣次郎とはもとより馴染なり兄弟分の契約かためを致した花車でございますから心配しておりまする。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
吟味所守備かため武士つわものどもに取り囲まれたその時には、一期いちごの難儀と怖さ恐ろしさ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
是にいて、使者還り来て曰く、墓所に到りて視れば、かためうづめるところ動かず。すなはち開きて屍骨かばねを見れば、既にむなしくなりたり。衣物きもの畳みてひつぎの上に置けり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
屋根の下の観光は、瑞巌寺ずいがんじの大将、しかもかためにらまれたくらいのもので、何のために奥州へ出向いたのか分らない。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同じような警護かための関を通り抜けて行く間に、はや戦争は始まってるという話、今、道でシュッシュッと異様な音の耳を掠めたのは、鉄砲だまの飛び行く音であったことに心附き