片目かため)” の例文
犬たちはわたしが近づくとはね起きたが、ジョリクールは片目かためを開いているくせに動かなかった。かえってラッパのような大いびきをかき始めた。
そして、いつも皇子おうじは、くろのシルクハットをかぶり、燕尾服えんびふくておいでになります。そして片目かためなので、くろ眼鏡めがねをかけておいでになるということです。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
上がりきらぬうちから熊蔵くまぞうがこうくと、雁六がんろくひたいのきずで、片目かために流れこむをおさえながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういうことばよりも、そのけたたましいわらこえがわたしを正気に返らせた。わたしは片目かためずつ開けてみた。そうして親方の指さすほうをながめた。
やさしいこころのおひめさまは、片目かためであるという皇子おうじうえをかわいそうにもおもわれました。そして、およめにいって、なぐさめてあげようかともおもわれました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、ひょうきんな小田おだくんは、いつものタンゲサゼンのまねをして、片目かためをつぶってあたまをさげたので、これをたものが、くすくすとわらいだしました。
片目のごあいさつ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それは、片目かため白髪しらがのおばあさんじゃなかったかい?」と、あにきました。
生きた人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先生せんせい片目かためをつぶってタンゲサゼンのまねをしたのです。」
片目のごあいさつ (新字新仮名) / 小川未明(著)
片目かためだったかもしれません。たいへんにしんせつな……。」
生きた人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)