眇目かため)” の例文
それも然しうやらうやら収りがついた。が、眇目かための教師はそれなり余り口を利かなかつた。従つて肝腎の授業の批評は一向えなかつた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一同何を言ひ出すのかと片唾かたづをのんだ。常から笑ふ事の少い眇目かための教師の顔は、此の日殊更苦々しく見えた。そして語り出したのは次のやうな事であつた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
二人の話題は、何日いつも授業批評会の時に最も多く口を利く××といふ教師の噂であつた。雀部は其の教師を常から名を言はずに「あの眇目かためさん」と呼んでゐた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)