“やから”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤカラ
語句割合
75.2%
11.0%
4.9%
家族2.4%
徒輩1.2%
奴輩0.8%
一属0.4%
宗族0.4%
0.4%
一族0.4%
儕輩0.4%
0.4%
宅眷0.4%
族党0.4%
氏族0.4%
種族0.4%
血族0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此他にビブリオターフと云うのがあるが、ターフとは墓の義で、唯いたずらに読みもせぬ書物を買って積んで置くのを楽しむやからである。
愛書癖 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
そんな風に、元を忘れ、奢りに長じたら、おのづから上を恐れず、人を侮り、正しきものの味方から背き去るやからも出て來るものである。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
三十一歳までの清浄身しょうじょうしんを、なげうって、現在の僧侶にいわせれば、汚濁おじょくの海、罪業の谷ともいうであろう、蓄妻ちくさい噉肉たんにくやからになろうという意志を固めているのだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おれが身は、しさいあって、仮に坊主となって山入りするから、当ぶん世間へは顔もみせまい。三、四年がほどは国元へも立ちよらぬと、わが家の家族やからにつたえてくれい」
「まるで餓鬼畜生だ。飼犬を殺して、あろうことか、この尊い仏地を穢して煮て喰おうというのだ。浅間しい畜生道の仕業だ。お前等のような堕地獄の徒輩やからは一時も、ここに置く訳には行かん!」
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
不安や恐怖もて人を脅やかす奴輩やから
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)
おのれは俸禄ほうろくに飽きたりながら、兄弟はらから一属やからをはじめ、六七みおやより久しくつかふるものの貧しきをすくふわざをもせず、となりにみつる人のいきほひをうしなひ
年ゆたかなれども七六あしたくれに一わんかゆにはらをみたしめ、さる人はもとより朋友ともがきとむらふ事もなく、かへりて兄弟はらから一属やからにも七七みちられ、まじはりを絶たれて、其のうらみをうつたふる方さへなく
... 勇士ますらおのごとく我にせかかり給う」と恨み、あるいは神を「汝」と呼びて「汝わが宗族やからをことごとく荒せり、汝我れをしわよらしめたり」とえんじている。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
その所有物もちものは地に蔓延ひろがらず……邪曲よこしまなる者の宗族やから零落おちぶれ、賄賂まいないの家は火にけん
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
足柄あしがらの箱根の山の中には数え切れぬほどの不逞ふていやからどもが蟠居ばんきょしているのだそうだ。いつ我々に対して刃向はむかって来るか分ったものではない。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
あるいは、憎むべき不逞ふていやからどもがいついかなる場合に我々に刃向って来るかも分らないのだ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
我汝に誓ひて曰はむ(願はくはわれ高きに達するをえんことを)、汝等の尊き一族やからは財布とつるぎにおけるほまれの飾を失はず 一二七—一二九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この男木作りかとそしる者は肉団にくだん奴才どさい御釈迦様おしゃかさまが女房すて山籠やまごもりせられしは、耆婆きばさじなげ癩病らいびょう接吻くちづけくちびるポロリとおちしに愛想あいそつかしてならんなど疑う儕輩やからなるべし、あゝら尊し、尊し
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかしわれはひときずつそこなやからとはちがふ。幼児をさなごき、あしち、しばつて、これを曝物さらしものに、憐愍あはれみ悪人あくにんどもが世間せけんにある。さればこそいまこの幼児等えうじらて、心配しんぱいいたすのだ。
宅眷やからに補はせなどしぬるほどに十一月しもつきに至りてはさながら雲霧の中に在る如く
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
殿上の衣冠などは雛人形ひなにんぎょうでも着る。また、すでに白骨となった者、生ける一門の族党やから、ましてそちまでを、裏切っていいものか。尊氏はそちたちが観ているよりは、ずんと欲望の深い悪党なのだ。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其のころ雀部ささべそう次といふ人、足利あしかが染の絹を交易するために、年々京よりくだりけるが、此のさと氏族やからのありけるをしばしば来訪きとぶらひしかば、かねてより親しかりけるままに
穢多の中でも卑賤いやしい身分のものと見え、其処に立つて居る丑松を同じ種族やからとは夢にも知らないで、妙に人をはゞかるやうな様子して、一寸会釈ゑしやくし乍ら側を通りぬけた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一の美しき流れシェストリとキアーヴェリの間をくだる、しかしてわが血族やから稱呼となへはその大いなる誇をばこの流れの名に得たり 一〇〇—一〇二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)