“蟠居”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばんきょ85.7%
ばんきよ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
足柄あしがらの箱根の山の中には数え切れぬほどの不逞ふていやからどもが蟠居ばんきょしているのだそうだ。いつ我々に対して刃向はむかって来るか分ったものではない。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
ウラル号は粛々しゅくしゅくとした大西洋を南下し、怪人集団の蟠居ばんきょする水域に近づいていった。やがて集団城塞の手前十キロメートルのところから潜航に移った。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
木村重吉の胸裡に突然蟠居ばんきよしたこの思ひは意外なまでに牢固として抜くべからざるものだつた。
上川原野かみかはげんやを一目に見て、旭川の北方に連壘の如く蟠居ばんきよして居る。丘上は一面水晶末の樣な輝々きら/\する白砂、そろそろ青葉のふちを樺に染めかけた大きな檞樹かしはのきの間を縫うて、幾條の路がうねつて居る。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)