蟠居ばんきよ)” の例文
木村重吉の胸裡に突然蟠居ばんきよしたこの思ひは意外なまでに牢固として抜くべからざるものだつた。
上川原野かみかはげんやを一目に見て、旭川の北方に連壘の如く蟠居ばんきよして居る。丘上は一面水晶末の樣な輝々きら/\する白砂、そろそろ青葉のふちを樺に染めかけた大きな檞樹かしはのきの間を縫うて、幾條の路がうねつて居る。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)