一族いちぞく)” の例文
可愛かはいいこの一族いちぞくは、土手どてつゞくところ、二里にり三里さんりあしとともにさかえてよろこぶべきことを、ならず、やがて發見はつけんした。——房州ばうしうときである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やがて此浅き谷は低き山のくまに尽きて、其処そこに大なる無花果、ポプラル、葡萄、石榴ざくろなど一族いちぞくの緑眼もさむるばかり鮮かなる小村あり。ドタンと云ふ。
他人の事と思はれず、我身わがみほまれ打忘うちわすれられてうれしくひとりゑみする心のうちには、此群集このぐんしふの人々にイヤ御苦労さまなど一々いち/\挨拶あいさつもしたかりし、これによりて推想おしおもふも大尉たいゐ一族いちぞく近親きんしん方々かた/″\はいかに
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
御威勢ごゐせいもつ一族いちぞくつもうら
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)