“房州”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうしゅう78.9%
ばうしう21.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしにも房州ぼうしゅうは始めてでした。二人は何にも知らないで、船が一番先へ着いた所から上陸したのです。たしか保田ほたとかいいました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一男は、縦横に組み上げられた鉄材の間から、遠く澄んだ空へ眼をはなった。上総かずさ房州ぼうしゅう山波やまなみがくっきりと、きざんだような輪廓りんかくを見せている。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
可愛かはいいこの一族いちぞくは、土手どてつゞくところ、二里にり三里さんりあしとともにさかえてよろこぶべきことを、ならず、やがて發見はつけんした。——房州ばうしうときである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この縁談えんだん安之助やすのすけ學校がくかう卒業そつげふするともなくおこつたもので、小六ころく房州ばうしうからかへつて、叔母をば學資がくし供給きようきふことわられる時分じぶんには、もう大分だいぶはなしすゝんでゐたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)