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房州
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ぼうしゅう
ふりがな文庫
“
房州
(
ぼうしゅう
)” の例文
私
(
わたくし
)
にも
房州
(
ぼうしゅう
)
は始めてでした。二人は何にも知らないで、船が一番先へ着いた所から上陸したのです。たしか
保田
(
ほた
)
とかいいました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一男は、縦横に組み上げられた鉄材の間から、遠く澄んだ空へ眼を
放
(
はな
)
った。
上総
(
かずさ
)
房州
(
ぼうしゅう
)
の
山波
(
やまなみ
)
がくっきりと、
彫
(
きざ
)
んだような
輪廓
(
りんかく
)
を見せている。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
富津
(
ふっつ
)
に滞在している知り人の安否を尋ねたあと、その漁村から歩いて行けば
房州
(
ぼうしゅう
)
のほうへ出られる道のあることを知りました。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今年の夏
房州
(
ぼうしゅう
)
の
千倉
(
ちくら
)
へ行って、海岸の強い
輻射
(
ふくしゃ
)
のエネルギーに充たされた空間の中を縫うて来る涼風に接したときに
さまよえるユダヤ人の手記より
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そこで
房州
(
ぼうしゅう
)
うまれの内木
氏
(
うじ
)
のるんは有竹氏を
冒
(
おか
)
して、外桜田の戸田邸から番町の美濃部方へよめに来たのである。
じいさんばあさん
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
東京付近では
房州
(
ぼうしゅう
)
〔千葉県の南部〕、
相州
(
そうしゅう
)
〔神奈川県〕、
豆州
(
ずしゅう
)
〔伊豆半島と伊豆七島〕へ行けば得られる。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
……台所をやらせて居りますのが、一番末に座って居ります、下女のおみねでございます。十八になりますが、一昨年、
房州
(
ぼうしゅう
)
から雇い入れました、正直者でございます
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
房州
(
ぼうしゅう
)
の漁師の娘ですって。私は、せがれの画がしくじっても、この娘さんをしくじらせたくないと思いました。私だって、知っていますよ。あの娘さんじゃ、画になりません。
リイズ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これと似た
談
(
はなし
)
が
房州
(
ぼうしゅう
)
にもある、何でも
白浜
(
しらはま
)
の
近方
(
きんぼう
)
だったが、農夫以前の話とおなじような事がはじまった、
家
(
うち
)
が、
丁度
(
ちょうど
)
、谷間のようなところにあるので、その両方の山の上に
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
石段
(
いしだん
)
の
上
(
うえ
)
からは
海
(
うみ
)
を
越
(
こ
)
えて
上総
(
かずさ
)
房州
(
ぼうしゅう
)
が
一
(
ひ
)
と
目
(
め
)
に
見渡
(
みわた
)
されたように
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
妻君「そうでございますかね、牛は全体どういうのが
美味
(
おいしゅ
)
うございましょう」お登和嬢「場所で申せば神戸牛といって中国筋の者が良いので
上総
(
かずさ
)
房州
(
ぼうしゅう
)
から出る
地廻
(
じまわ
)
りは味が悪うございます。 ...
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
東京の附近で、そだった人などは、これを見ようと思えば
伊豆
(
いず
)
の
大島
(
おおしま
)
か、それから南の島々に行くよりほかはないが、わずか以前は伊豆半島の南部でも、また
房州
(
ぼうしゅう
)
にもそれがいくらもあった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
仕様がないから深川櫓下の花屋へ此の
娘
(
こ
)
を頼んで
芸妓
(
げいしゃ
)
に出して、私の喰い物にしようと云う了簡でしたが、又私が網打場の船頭の
喜太郎
(
きたろう
)
という者と
私通
(
いたずら
)
をして、船で
房州
(
ぼうしゅう
)
の
天津
(
あまつ
)
へ逃げましたがね
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
前に申す通りに
古川節蔵
(
ふるかわせつぞう
)
は私の家から脱走したようなもので、後で
聞
(
きい
)
て見れば榎本よりか
先
(
さ
)
きに脱走したそうで、
房州
(
ぼうしゅう
)
鋸山
(
のこぎりやま
)
とか
何処
(
どこ
)
とかに居た佐幕党の人を長崎丸に乗せて、ソレを箱根山に上げて
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私はまず「精神的に向上心のないものは
馬鹿
(
ばか
)
だ」といい放ちました。これは二人で
房州
(
ぼうしゅう
)
を旅行している際、Kが私に向って使った言葉です。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
房州
(
ぼうしゅう
)
の
小湊
(
こみなと
)
に近い村に住む農家の若い主人が、このわたしを
誕生寺
(
たんじょうじ
)
のほうへ案内しようと言ってくれました。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
元来
(
がんらい
)
、水仙は
海辺
(
かいへん
)
地方の植物であって、山地に
生
(
は
)
える草ではない。
房州
(
ぼうしゅう
)
〔千葉県の南部〕、
相州
(
そうしゅう
)
〔神奈川県の一部〕、その他
諸州
(
しょしゅう
)
の海辺地には、それが
天然生
(
てんねんせい
)
のようになって
生
(
は
)
えている。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
房州
(
ぼうしゅう
)
とかは百
年
(
ねん
)
来
(
らい
)
例
(
ためし
)
がないと
言
(
い
)
われるほどの
惨害
(
ざんがい
)
を
蒙
(
こうむ
)
ったのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
二人は
房州
(
ぼうしゅう
)
の鼻を
廻
(
まわ
)
って向う側へ出ました。我々は暑い日に
射
(
い
)
られながら、苦しい思いをして、
上総
(
かずさ
)
のそこ
一里
(
いちり
)
に
騙
(
だま
)
されながら、うんうん歩きました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昔し
房州
(
ぼうしゅう
)
を
館山
(
たてやま
)
から向うへ突き抜けて、
上総
(
かずさ
)
から
銚子
(
ちょうし
)
まで浜伝いに
歩行
(
あるい
)
た事がある。その時ある晩、ある所へ
宿
(
とまっ
)
た。ある所と云うよりほかに言いようがない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“房州”の意味
《名詞》
房州(ぼうしゅう)
安房国(あわのくに)の別称。
(出典:Wiktionary)
房
常用漢字
中学
部首:⼾
8画
州
常用漢字
小3
部首:⼮
6画
“房州”で始まる語句
房州砂
房州通
房州石
房州者
房州鯛
房州銚子