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ばうしう
可愛いこの
一族は、
土手の
續くところ、
二里三里、
蘆とともに
榮えて
居る
喜ぶべきことを、
日ならず、やがて
發見した。——
房州へ
行く
時である。
此縁談は
安之助が
學校を
卒業すると
間もなく
起つたもので、
小六が
房州から
歸つて、
叔母に
學資の
供給を
斷わられる
時分には、もう
大分話が
進んでゐたのである。
「ううん、先生は、もう
房州へ行くことにきめてるの。家を借りたんだつて……」
A
其女が
即ち
現今房州に
出養生の
君の
細君だね。
まさか
自動車で、ドライブして、
搜して
囘るほどの
金はなし……
縁の
切れめか、よし
原すゞめ、
當分せかれたと
斷念めて
居ると、
當年五月——
房州へ
行つた
以前である。