“人群”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとむれ31.3%
ひとだか18.8%
ヒトムレ18.8%
ひとごみ12.5%
ひとだかり6.3%
ひとご6.3%
ひとむ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、そのちりぢりになった人群ひとむれの中から、ただ一人、足早に駈けぬけて、向うへゆくお十夜の三人組へ、「しばらく!」と声を打ってひびかせた者がある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八ツ橋は生に限ると今がた味を覚えたそのなまのを沢山買い込んで、熊野神社前の停留場へ来ると人群ひとだかりがしていた。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
南家の郎女イラツメにも、さう言ふ妻覓ツママぎ人が——いや人群ヒトムレが、とりまいて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
新吉の頭は疲れて早くどこかの人群ひとごみのなだれに押されて行って、其処で見出して思わず抱き合ってしまう現実のカテリイヌを見出したいと思った。傍の二人の女は其の時までの道連れだ。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
或る時は又人群ひとだかりから程離れた塀や電柱に凭れて、ただ何といふこともなく黒い塊りの動きを眺めてゐたり
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「お……なるほど……たいへんな人群ひとむれだ」吉水の近くへ来ると、祇園林ぎおんばやしや五条の坂や、また、四方よもの道を遠しとも思わないで、ぞろぞろと、集まってくる往来に、二人は、顔を見あわせた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)