“ひとだかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
人群集40.0%
人群20.0%
人集合20.0%
群集20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と重なり合った人群集ひとだかりの中に、足許あしもとの溝の縁に、馬乗提灯うまのりぢょうちんを動き出しそうに据えたばかり。店も何も無いのが、額を仰向あおむけにして、大口をいてしゃべる……この学生風な五ツ紋は商人あきんどではなかった。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或る時は又人群ひとだかりから程離れた塀や電柱に凭れて、ただ何といふこともなく黒い塊りの動きを眺めてゐたり
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
時時何か愉しげな街頭の人群ひとだかりに出会つたりすると、むしろ其れを憎むやうに慌ただしく行き過ぎてしまふ、どういふ理由かと言ふに、どういふ理由だか自分も知らないのである。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
冬季にはこの名物、三日き五日措きに、殺然として襲い来るが、二日続くことはほとんどない。翌日は例のごとく、嘘のように暖く、公園の梅はほんのりと薫って、魚見岬うおみざきにはうららかな人集合ひとだかり
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と見る、桔梗屋の店頭、一団の群集ひとだかりが円陣を描いて申し合せたように軒のはしを見上げている。出入りのとびらしいのや店の者が家と往来を行きつ戻りつして、いかさま事ありげ——。