“馬乗提灯”の読み方と例文
読み方割合
うまのりぢょうちん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
筮竹ぜいちくの長袋をまえ半じゃ、小刀のように挟んで、馬乗提灯うまのりぢょうちんの古びたのに算木をあらわしましたので、黒雲のおっかぶさった、蒸暑いあぜてらし、大手をって参ります。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
水戸は徳川三家の居城でありましたから、昔は色々の手仕事が栄えたことと思いますが、今は衰えてしまいました。馬乗提灯うまのりぢょうちんくじらの筋を用いた出来のよいのを売りますが、昔の名残りであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
まる桔梗ききょうの紋を染めた、いかめしい馬乗提灯うまのりぢょうちんが、暗夜くらやみにほのかに浮くと、これを捧げた手は、灯よりも白く、黒髪が艶々つやつやと映って、ほんのりとあかるい顔は、お町である。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)