人群ひとごみ)” の例文
新吉の頭は疲れて早くどこかの人群ひとごみのなだれに押されて行って、其処で見出して思わず抱き合ってしまう現実のカテリイヌを見出したいと思った。傍の二人の女は其の時までの道連れだ。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
不意をくらった人群ひとごみ総崩そうくずれに浮き足だって散らかっていった。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
いい気持ちになりながら人群ひとごみを縫うて通った。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)