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一廓
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ひとくるわ
ふりがな文庫
“
一廓
(
ひとくるわ
)” の例文
それらの
創口
(
きずぐち
)
から出る
怨
(
うら
)
みの声が大連中に響き渡るほど
凄
(
すさま
)
じかったので、その以後はこの
一廓
(
ひとくるわ
)
を化物屋敷と呼ぶようになった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、この
一廓
(
ひとくるわ
)
の、
徽章
(
きしょう
)
とも
言
(
いっ
)
つべく、峰の
簪
(
かざし
)
にも似て、あたかも紅玉を
鏤
(
ちりば
)
めて
陽炎
(
かげろう
)
の
箔
(
はく
)
を置いた
状
(
さま
)
に真紅に咲静まったのは、一株の桃であった。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
(
ひと
)
つでない、
二
(
ふた
)
つでもない。
三頭
(
みつ
)
も
四頭
(
よつ
)
も
一齊
(
いつせい
)
に
吠
(
ほ
)
え
立
(
た
)
てるのは、
丁
(
ちやう
)
ど
前途
(
ゆくて
)
の
濱際
(
はまぎは
)
に、また
人家
(
じんか
)
が七八
軒
(
けん
)
、
浴場
(
よくぢやう
)
、
荒物屋
(
あらものや
)
など
一廓
(
ひとくるわ
)
になつて
居
(
ゐ
)
る
其
(
その
)
あたり。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一廓
(
ひとくるわ
)
の
蒼空
(
あおぞら
)
に、老人がいわゆる緑青色の
鳶
(
とび
)
の舞う聖心女学院、西暦を算して紀元幾千年めかに相当する時、その一部分が武蔵野の丘に開いた新開の町の一部分に接触するのは
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
猿芝居、大蛇、熊、
盲目
(
めくら
)
の
墨塗
(
すみぬり
)
——(この土俵は星の下に暗かったが)——西洋手品など
一廓
(
ひとくるわ
)
に、
蕺草
(
どくだみ
)
の花を咲かせた——表通りへ目に立って、
蜘蛛男
(
くもおとこ
)
の見世物があった事を思出す。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
三頭
(
みつ
)
も
四頭
(
よつ
)
も一斉に吠え立てるのは、
丁
(
ちょう
)
ど
前途
(
ゆくて
)
の
浜際
(
はまぎわ
)
に、また人家が七八軒、浴場、
荒物屋
(
あらものや
)
など
一廓
(
ひとくるわ
)
になって
居
(
い
)
るそのあたり。
彼処
(
あすこ
)
を
通抜
(
とおりぬ
)
けねばならないと思うと、今度は
寒気
(
さむけ
)
がした。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
戸外の広場の
一廓
(
ひとくるわ
)
、総湯の前には、火の見の
階子
(
はしご
)
が、高く初冬の空を
抽
(
ぬ
)
いて、そこに、うら枯れつつも、大樹の柳の、しっとりと
静
(
しずか
)
に
枝垂
(
しだ
)
れたのは、「火事なんかありません。」と言いそうである。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
湖を
遥
(
はるか
)
に、
一廓
(
ひとくるわ
)
、彩色した竜の
鱗
(
うろこ
)
のごとき、湯宿々々の、壁、柱、
甍
(
いらか
)
を中に隔てて、いまは
鉄鎚
(
てっつい
)
の音、謡の声も聞えないが、出崎の
洲
(
す
)
の
端
(
はた
)
に、ぽッつりと、
烏帽子
(
えぼし
)
の転がった形になって、あの船も
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
廓
漢検準1級
部首:⼴
14画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥