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亥刻
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よつ
ふりがな文庫
“
亥刻
(
よつ
)” の例文
「昨夜
亥刻
(
よつ
)
少し過ぎ(十時過ぎ)小僧の
乙松
(
おとまつ
)
が
離屋
(
はなれ
)
の前で嫁のお袖に逢つたさうですよ。月は良かつたし、間違ひはないつて言ふが」
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お客の帰った跡の取片付けを下役に申付けまして、自分は御前を
下
(
さが
)
り、小梅のお屋敷を出ますと、
浅草寺
(
あさくさ
)
の
亥刻
(
よつ
)
の鐘が聞えます。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
扨て傳吉は
其夜
(
そのよ
)
亥刻
(
よつ
)
過
(
すぎ
)
に我が家へ歸りければ女房叔母ともに出で立ち今御歸りなされしや金子は如何にと
尋
(
たづ
)
ぬるに傳吉
然
(
され
)
ばお專殿は留守にて分らず歸りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「これはこれは、藤波先生。……どうも、あなたは人が悪いですな。ちゃんと
亥刻
(
よつ
)
とお約束がしてあるのに、こんなお早がけにおいでになるんで、だいぶ、こちらの手順が狂いましたよ」
顎十郎捕物帳:06 三人目
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
仕事場に籠ると見せて、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)少し前に脱け出し、小夜菊を殺して仕事場に戻り、
亥刻
(
よつ
)
に誘ひに來る約束のお咲を待つたのだ
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
唇へ差した余りの紅を耳たぶや眼の間へ差して、髪を掻揚げてしまい、着物を着替えたりするとボーンと
夜
(
よ
)
の
亥刻
(
よつ
)
になります。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
晃々
(
くわう/\
)
とさし
昇
(
のぼ
)
り最早夜の
亥刻
(
よつ
)
時分共思ふ頃
良
(
やゝ
)
原中
(
はらなか
)
まで來りしに最前より待設けたる雲助共松の
蔭
(
かげ
)
より前後左右に
破落々々
(
ばら/\
)
と
現
(
あらは
)
れ出でヤイ/\
小童子
(
こわつぱ
)
待
(
まて
)
先刻
(
さつき
)
松の尾の酒屋では
能
(
よう
)
も/\我等を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「おつかい通り、きっちり
亥刻
(
よつ
)
(午後十時)にお伺いするという口上でした」
顎十郎捕物帳:06 三人目
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
小僧の長吉と、下女のお
角
(
かく
)
を呼んで訊くと、お村が外へ出たのは
亥刻
(
よつ
)
過ぎらしく、外から男が合図していたというので口が合います。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
長「お前さんが帰るなら
私
(
わっち
)
も一緒に
帰
(
けえ
)
りやすが、
亥刻
(
よつ
)
までに
帰
(
けえ
)
れば
宜
(
い
)
いんでしょう、何うなすったのです」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
立出九郎兵衞は殊の外の
酒機嫌
(
さけきげん
)
にて
踉々
(
よろ/\
)
蹌々
(
ひよろ/\
)
とし乍ら
下伊呂村
(
しもいろむら
)
の
外
(
はづ
)
れへ
來掛
(
きかゝ
)
りし頃は
早
(
はや
)
亥刻
(
よつ
)
に近くて
宵闇
(
よひやみ
)
なれば足元も
暗
(
くら
)
くお里は大いに
草臥
(
くたびれ
)
しと河原の石に
腰
(
こし
)
を掛るに九郎兵衞惣内も同く石に
腰
(
こし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
丁度
亥刻
(
よつ
)
頃、堅く絞つた手拭で身體を拭いてゐると、後ろからそつと忍び寄つて、いきなり井戸の中へ若旦那を突き落した奴がある
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
仙「ナニ
大丈夫
(
でえじょうぶ
)
でござえやす、遅くも今夜の
亥刻
(
よつ
)
時分までに
帰
(
けえ
)
って来て、
芽出度
(
めでたく
)
祝いをしましょう」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
振つて押込んだんだぜ。
亥刻
(
よつ
)
過ぎに泉屋へ入らうとする者があつたら、出前持でも、
飛脚
(
ひきやく
)
でも構はねえ、縛り上げて泥を吐かせることだ
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
町の者は
亥刻
(
よつ
)
になると屋敷内へ入れんように致します。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ならねえよ。疑が手前に掛りさうだと思ふなら、飛離れた遠方へ行つて、
亥刻
(
よつ
)
(十時)前は本郷神田界隈に寄り付かねえ工夫をしろ」
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
林「
往
(
い
)
きアしない、
亥刻
(
よつ
)
までは
往
(
え
)
かないよ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女はそんな事も知らぬ様子で、賑やかなところを通るように、——白金へ
辿
(
たど
)
り着いた時はもう
亥刻
(
よつ
)
(十時)近い頃でしたでしょう。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「夜更けと申してもまだ
亥刻
(
よつ
)
前で、それに唯ちよいと、氣分がどうか訊き度かつたので——へエ、ひどくお疲れのやうでしたから」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
芝口の仕事場に籠つて
亥刻
(
よつ
)
(十時)まで仕事をしたと言つて居るのに、今日行つて見ると、作つた草鞋が二十足も綺麗に用意してゐる。
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
甲子太郎の縄を解いてやるように、平次は猪之吉を説き伏せて、室町の小法師に帰って来たのは、その晩の
亥刻
(
よつ
)
(十時)少し前でした。
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
亥刻
(
よつ
)
(十時)少し前に、お隣の部屋からお姉樣が——お寢みなさい、私はもう寢みましたから——とお聲をかけて下さいました」
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一と通り
検屍
(
けんし
)
が済んだのはもう
亥刻
(
よつ
)
(午後十時)近いころ、平次は紙入と煙草入だけを、二三日借りることにして、現場を引揚げました。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女はそんな事も知らぬ樣子で、賑やかなところを通るやうに、——白金へ辿り着いた時はもう
亥刻
(
よつ
)
(十時)近い頃でしたでせう。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜の
戌刻
(
いつゝ
)
半過ぎ、いや
亥刻
(
よつ
)
時分かな、中がシーンとして居るので、お勝手から入り込むと、師匠は稽古舞臺の上で死んで居た。
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何んか御用があるとかで、そは/\してをりましたが、
亥刻
(
よつ
)
(十時)少し前——皆樣より一と足先に歸つたやうでございます」
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう
亥刻
(
よつ
)
(十時)過ぎ、江戸の街も静まり返って、乱れる自分達の足音だけが、物々しい響きを、町から町へ伝えて行きます。
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
心付けと、十手と、
詫言
(
わびごと
)
と、脅かしと、硬軟いろいろに使いわけて、
亥刻
(
よつ
)
半(十一時)頃、廻って来たのは、
御隠殿
(
ごいんでん
)
裏でした。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
明日は殿様江戸表出立という騒ぎ、邸内は宵までごった返して、
亥刻
(
よつ
)
半(十一時)頃からは、その反動でピタリと
鎮
(
しず
)
まります。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お米さんが湯へ行くと間もなく、私の方も店を閉めてしまひました。目白の
鐘
(
かね
)
が
亥刻
(
よつ
)
(十時)を打つと、何時でもさうするのですが——」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お米さんが湯へ行くと間もなく、私の方も店を閉めてしまいました。目白の鐘が
亥刻
(
よつ
)
(十時)を打つと、いつでもそうするのですが——」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ヘエ、昨夜もその前の晩も、
亥刻
(
よつ
)
から夜中過ぎまで、引っ切りなしに算盤の音がして、うるさくて、眠られませんでしたよ」
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何しろ日が暮れる前からやつて居るでせう。
亥刻
(
よつ
)
近くなつて、好いかげんトロリとしてゐると、川向うにチラと明るいものが出て來た——」
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ならねえよ。疑いが
手前
(
てめえ
)
に掛りそうだと思うなら、飛離れた遠方へ行って、
亥刻
(
よつ
)
(午後十時)前は本郷神田界隈に寄り付かねえ工夫をしろ」
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
亥刻
(
よつ
)
(十時)前だつたと思ひます。お床のお世話をして、晩酌の膳を引いて、二階から降りた後で、主人は梯子段の上から、私へ明日の用事を
銭形平次捕物控:205 権三は泣く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「宵に來た相ですが、
亥刻
(
よつ
)
頃出かけて、暫らく經つてからまた鎌倉町へ歸り、夜があけてから、本町の店へ行つたさうです」
銭形平次捕物控:275 五月人形
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いきなり八五郎の首つ玉に
噛
(
かじ
)
り付く女を、
漸
(
ようや
)
く引離して、梯子から突き落すやうに、寒い表へ送り出したのは、もう
亥刻
(
よつ
)
(十時)過ぎでした。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それつ切り二人は逃げ出し、お萬は一寸
誤魔化
(
ごまか
)
しに湯へ行つて、
亥刻
(
よつ
)
を過ぎたのに、『
戌刻
(
いつゝ
)
半でせうね』と番臺で念を押した
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次も八五郎も悉く充ち足りた心持で、醉顏を
濕
(
しめ
)
つぽい夜風に吹かせ乍ら、兩國橋の上にかゝると、丁度金龍山の
亥刻
(
よつ
)
(十時)の鐘が鳴ります。
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相手が若くて綺麗で、夜の
亥刻
(
よつ
)
過ぎ、冷たい大地の上を這ひ廻つてゐると、あつしだつてツイ聲をかけて見たくなるでせう
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
亥刻
(
よつ
)
半(午後十一時)頃、フラリと帰って来た新吉を、有無を言わせず引っ
括
(
くく
)
って、房五郎の家の現場へ伴れて来ました。
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一と通り檢屍が濟んだのはもう
亥刻
(
よつ
)
近い頃、平次は紙入と煙草入だけを、二三日借りることにして、現場を引揚げました。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今晩の幽霊退治に、綾吉だけ出て来なかったので、
亥刻
(
よつ
)
時分に、力兄哥に誘わせましたが、用事があるんだって、とうとう来ませんでしたよ」
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お萩さんはプリプリしながら、
亥刻
(
よつ
)
少し前に帰って行き、それから煙草の二、三服ほどもして、お房さんも帰りました」
銭形平次捕物控:242 腰抜け彌八
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
亥刻
(
よつ
)
過ぎだったそうです。お六に言わせると、お房は浮気者で、時々夜中に抜け出しては、男と逢引してるそうですが」
銭形平次捕物控:242 腰抜け彌八
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「昨夜
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎから
亥刻
(
よつ
)
(十時)前まで、ざつと半刻の間、お孃さんは本當に庭で源三郎と話して居たのですね」
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちょうど
亥刻
(
よつ
)
(十時)ごろ、堅く絞った手拭で身体を拭いていると、後ろからそっと忍び寄って、いきなり井戸の中へ若旦那を突き落した奴がある
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
亥刻
(
よつ
)
半といふと
半夜
(
よなか
)
だが、御主人は何んだつて、そんな場所へ行つたんです。話の樣子では、灯も無かつたやうだが」
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜中に拔け出したには違ひあるまいが、お島さんが松井町の妹の家を脱け出したのはまだ
亥刻
(
よつ
)
前(十時)で、火事は曉方近い
丑刻半
(
やつはん
)
(三時)ですよ
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
亥刻
(
よつ
)
(十時)過ぎでしたよ。それから二三軒顏を見せて歩いて、落着いたのは花本の玉の井のところ、嘘だと思つたら、行つて訊いて見て下さい。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
亥
漢検準1級
部首:⼇
6画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“亥刻”で始まる語句
亥刻半
亥刻頃
亥刻時
亥刻近
亥刻過頃