“よい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
74.2%
17.6%
2.0%
夜居1.6%
1.0%
0.7%
0.3%
初更0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
甲夜0.3%
眩暈0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
源氏が二条の院へ帰って見ると、ここでも女房はよいからずっとなげき明かしたふうで、所々にかたまって世の成り行きを悲しんでいた。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こう云う事情がありましたから、お島婆さんの所へ行くと云っても、新蔵のほろよいの腹の底には、どこか真剣な所があったのでしょう。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
得しことゆゑ癪氣しやくきも速かにをさまりければ大岡殿には悦ばれ成程めうよい心持こゝろもちに成しと申されるに城富は先々御休息きうそくあそばされよと申て自分もやすみ居たりけるに大岡殿は寢返ねがへりて此方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
着て、夜居よいのお坊様のように私はなろうと思うのですから、今度などよりもっと長くお目にかかれませんよ
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
あながち君に對して興味を棄てよと云ふのではないが、内々に好きからに筆を執つて樂んで居るといふのならば餘り駄作は公表せぬがよいではないか
の松蔭大藏は智慧が有って、一家中の羽振が宜くって、物の決断はよいし、彼を抱込めばいと寺島兵庫と申す重役が、松蔭大藏を抱込むと、松蔭は得たりと請合って
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
致すはこゝのこと林藏はよいとしことほかずき夫故大方然樣さやうな一けんでも御座りませうが主有者ぬしあるものに手を出すの密夫まをとこなどは致ませんが只々たゞ/\ぜに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
下されしは此お人なればお頼み申てお富にあうて來るがよいと聞てお安は今が今迄かくあんじ暮して居た事ゆゑ忽ちゑみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それから緒方の塾に這入はいってからも私は自分の身に覚えがある。夕方食事の時分にし酒があれば酒をのん初更よいに寝る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それともいまこれを此處におけ貴君あなたの三年の壽命いのちちゞめるがよいか、それでも今ぐにほしう御座るかな。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
色斯おどろきてがり、かけって後くだる。曰く、山梁さんりょう雌雉しちよいかなよいかなと。子路これむかえば三たびはねひろげてつ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
やっと熱海の宿に着いてよいの治りかけた頃にあの塩湯に入るとまたもう一遍軽い嘔気を催したように記憶している。
箱根熱海バス紀行 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
床の上へ起き直ッて耳をすまして見ると、家内は寂然しーんとしていて、ねずみの音が聞えるばかり……自分はしばらく身動かしもせず、黙然としていたが,ふと甲夜よいに聞いたことを思い出して
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
食後、一同は思い思いに船中に散らばって、一団は甲板椅子へ帰り、中には、食堂から直ぐ自分の船室キャビンへ引き籠ったきり、眩暈よい気味なのか、出て来ない人もあった。
海妖 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
町子まちこよいごゝちゆめのごとくあたまをかへして背後うしろるに、雲間くもまつきのほのあかるく、社前しやぜんすゞのふりたるさま、紅白こうはくつなながくれて古鏡こきようひかかみさびたるもみゆ、あらしさつと喜連格子きつれがうしおとづるれば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
目出度めでたく三三九度の盃も済み、藤原が「四海なみしずかに」とうたい、媒妁はよいうちと帰りました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)