“よろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨロ
語句割合
66.5%
9.3%
6.1%
蹌踉5.3%
2.0%
1.7%
1.7%
1.1%
蹣跚0.9%
0.8%
踉蹌0.6%
0.6%
0.5%
0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
跟蹌0.2%
蹌跟0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
醫者 それがどうもよろしくない。この間からもたび/\云ふ通りここ十日か半月が大事の所だから、なるべく無理をしないで下さい。
近松半二の死 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
焚火の前には彼より先に熊の胴服を寛々と着て小手こて脛当すねあてで身をよろった、頬髯ほおひげの黒い、総髪の一人の荒武者が腰かけていたが、数馬
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
立ち上つた勝平は、フラ/\とよろめいてやつと踏み堪へた。彼はその凄じい眸を、真中に据ゑながら、瑠璃子の方へヂリ/\と迫つて来た。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
勘次は怒りのためにふるえ出した。と、彼は黙って秋三の顔を横から殴打った。秋三は蹌踉よろめいた。が、背面の藁戸を掴んで踏み停ると
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
神戸の縉商しんしょうであるNさんなぞは、飄逸な海亀さながらの長い首を前伸びによろけさして、ヤレ漕げソレ漕げエンヤラヤアノヤアヤである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
母の病気に違ないと思ひ込んで、驚ろいて飛んで帰ると、母の方では此方こつちへんがなくつて、まあ結構だつたと云はぬ許によろこんでゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おそらく闘争は神代よりあった、上御一人をしてよろずのやからべさせたもうことは神の大御心の測りがたいところではあるまいか、ともある。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こんな事を云い出したので、みんなすっかり、っくりしてよろこんだ。病人がしきりに事のおこりを聞きたがるままに、母がそのあらましを話してやった。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
微かな揺れかえしがきた時、中腰になっていた寿女は大袈裟に蹣跚よろけて隣りの枠台に手をつき、胡粉皿がひっくりかえった。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
君是れ程筋が立つて居るのに、し兼吉を無罪にすることが出来ないならば、弁護士をめて仕舞へと、先生様がおつしやるぢやないか、すると其方そのかたもネ、よろしい約束しようとおつしやるんだよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
一同あきれて立つて居る中から、踉蹌よろけ乍ら出た老媼おふなは、手をかざして一分時程リツプの顔を見て居たが。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
兵はもう暗いうちから起きて、馬には草飼い、身にはよろい、そして腰兵糧までつけて、主人の出るのを待っていた。今朝、法養寺に勢揃いし、諏訪すわを立って、甲府に向う。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここで問題は印刷部数である。或学者が曰ふ、「百五十部乃至二百五十部でよろしからう」と。
「詞は古きをしたひ、心は新しきを求め、及ばぬ高き姿を願ひて、寛平以往の歌に習はば、自づからよろしきこともなどか侍らざらむ」といっているが、為世の『和歌秘伝抄』には、この詞の中
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
文治は年廿四歳で男のよろしいことは役者で申さば左團次さだんじ宗十郎そうじゅうろうを一緒にして、訥升とつしょうの品があって、可愛らしい処が家橘かきつ小團治こだんじで、我童がどう兄弟と福助ふくすけの愛敬を衣に振り掛けて
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ムム、およろしい方か。御辺の無事を見せられたのが、まず何よりの薬餌やくじであったとみゆる。よかったのう、高氏どの」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
運転台のやや高いところに取りつけてあった探照灯がピカリと首を動かすと、なるほど線路上にフワフワとよろめきながら東の方へ走っている二つの白い人影がクッキリ浮かび出ました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
人々の怖ろしく凄まじい形相が、柘榴のつぶてのやうに私達の眼前を寄切よぎつて行つた。私は、思はずよろめいて母の袂に縋つた。人々の眼は、極度に視張られて血走つてゐた。
鱗雲 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
されば奧方おくがた町子まちこおのづから寵愛てうあいひらつて、あなが良人おつとあなどるとなけれども、しうとしうとめおはしましてよろ窮屈きうくつかたくるしきよめ御寮ごりようことなり
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よろづに淡々あわ/\しき女子おなごこゝろするやうひとことばに、おもはずくわつ上氣じやうきして、昨日きのふまではうちすてしかみつやらしうむすびあげ、端折はしおりつゞみ取上とりあげてれば、いかう眉毛まゆげえつゞきぬ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ため辛苦しんくの程察し入る呉々もよろこばしきことにこそして其のくしは百五十兩のかたなれば佛前へそなへて御先祖其外父御てゝごにも悦ばせ給へと叔母女房ともくち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たゞさずして離縁なすは百五十兩の金皆々樣の御骨折ほねをりにて我が手にもどりしよろこびなれば申し分もこれなきことなりおはやどの現在げんざい叔母に候あひだ私しが養育やういく申べし夫共お梅の方へ參りたくは夫程の手當てあて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
幅広き名よろの町に降りたちて煙草屋の娘に路をたづねる
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
よろしかろ
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
ともすれば身体のよじり方一つにも復一は性の独立感を翻弄ほんろうされそうなおそれを感じて皮膚ひふの感覚をかたくよろって用心してかからねばならなかった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ひかせ参り候やうに有之これあり候はゞ、よろしく御座候。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は何かに酔ひしれた男のやうに、衣紋えもんもしだらなく、ひよろ/\とよろけながら寝室に帰つて、疲れ果てて自分の寝床にし倒れた。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
父の行方も探し当て、お杉の生死しょうしたしかめ得たので、彼も今は気がゆるむと共に、市郎は正しく立つにえられなくなって来た。跛足びっこきながらかたえの岩角に跟蹌よろけかかって、倒れるように腰をおろした。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
卯平うへいはいきなり煙管きせるたゝきつけた。とりあわてゝ座敷ざしきむしろどろおとしてしきゐそとあししたまゝしばらころがつてたが、つひには蹌跟よろけ/\さわぎつゝとほにげた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)