“よろめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蹌踉46.7%
蹣跚25.3%
8.0%
5.3%
踉蹌5.3%
4.0%
倰僜1.3%
1.3%
蹌跟1.3%
1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると彼ははずみを喰って蹌踉よろめくとたあいもなく尻もちをつきましたが、その時私のインヴァネスの羽を掴んで破ってしまったのです。
遺書に就て (新字新仮名) / 渡辺温(著)
さう云ふことを振返って考へ込むと、彼は心の底から一つの細力ママが湧いて来て、蹣跚よろめきさうな身体を支へて呉れさうな気がした。
閑人 (新字旧仮名) / 原民喜(著)
一人前の男でも、そうたやすくは振れない物なので、梅軒に身を交わされると、当然、お通の手は波を描いて、自分の振った刀で自分の体をよろめかせてしまった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老爺は少しよろめいたが、ウムと踏張ツたので、學生は更にはねツ返されて、今度は横つ飛に、片足で、トン、トンとけし飛ぶ……そして壁に打突ぶツつかツて横さまに倒れた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
新ばしのたもとに夜あかしの車夫が、寝の足らぬ眼をこすりつ驚くばかりの大欠おおあくびして身を起せば、乞食か立ん坊かと見ゆる風体ふうてい怪しの男が、酔えるように踉蹌よろめき来りて
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ややありてかれの身を起し、もと来し方にかえるを見るに、その来りし時に似もやらで、太く足許あしもとよろめきたりき。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かくて時刻も移りしかば、はや退まからんと聴水は、他の獣わかれを告げ、金眸が洞を立出でて、倰僜よろめく足を踏〆ふみしめ踏〆め、わが棲居すみかへと辿たどりゆくに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
しゃつ伏勢ござんなれ」ト、身構へしつつきっと見れば、いとおおいなる黒猿の、おもて蘇枋すおう髣髴さもにたるが、酒に酔ひたる人間ひとの如く、倰僜よろめきよろめき彼方かなたに行きて、太き松の幹にすがりつ
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
科学は政策に光明を与え、政策の方法を正しからしめ、その行手を照し指示する。科学の援助が無ければ、政策は一歩ごとにつまづきながらよろめき歩むことしか出来ない。
悪い足は中心を失って思わず蹌跟よろめいて机の上に片手を突いたが、突いたその手で無我夢中につかみ上げた書物を、力一杯犬の胴体眼蒐めがけて投げ付けた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
踏外ふみはづよろめく所を雲助共夫れ/\しめたぞ今一いきたゝき殺して剥取はぎとれと折重なつて打倒すに半四郎も最早もはやかなはずと一生懸命の聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)