“よろよろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蹌踉50.0%
蹌踉々々13.9%
蹣跚13.9%
蹌々11.1%
踉々5.6%
蹌踉蹌踉2.8%
蹣跚蹣跚2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何某なにがし。)とかのペンを持った一人が声を懸けると寝台の上に仰向あおむけになっていたのは、すべり落ちるように下りて蹌踉よろよろと外科室へ入交いりかわる。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
びしゃびしゃ……水だらけの湿っぽい井戸端を、草履か、跣足はだしか、沈んで踏んで、陰気に手水鉢の柱にすがって、そこで息をく、肩を一つゆすったが、敷石の上へ、蹌踉々々よろよろ
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は柄杓ひしゃくで水を浴せ掛ると、鶩は噂好うわさずきなお婆さんぶって、泥の中を蹣跚よろよろしながら鳴いて逃げて行きました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
遊ぶ心と、遊ばせる方の心とが蹌々よろよろ、歩いている間も、不即不離、つまり阿呍あうんの呼吸というものである。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ステップが踉々よろよろくずれて、ちっともあざやかにきまらない。松永まつながの肩に首をせている——というよりも、彼のたくましいくびに両手を廻して、シッカリ抱きついているのだった。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
蹌踉蹌踉よろよろとしながら、それでも池上は土産ものを提げてわたくしを家の門口まで送って呉れました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
といったきり、顔からは血の気を失って、蹣跚蹣跚よろよろっと坐ってしまうと、頭を膝の中に抱えこんだ、さすがの葉子も、一瞬、ハッと目を外らした。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)