“そうそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソウソウ
語句割合
匆々21.3%
錚々16.2%
匇々12.3%
淙々12.1%
早々7.2%
怱々6.7%
曹操5.9%
鏘々2.8%
簇々2.8%
蒼々2.1%
滄桑1.3%
層々1.0%
嘈々1.0%
忽々1.0%
匇匇0.8%
蹌々0.5%
匆匆0.3%
曹爽0.3%
匀々0.3%
匆騒0.3%
双々0.3%
層層0.3%
左様々々0.3%
曹宗0.3%
漕々0.3%
爪相0.3%
爽々0.3%
草創0.3%
葬送0.3%
葱々0.3%
蔌々0.3%
送葬0.3%
鏘鏘0.3%
雙々0.3%
颼々0.3%
騒騒0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふたりは感激して、匆々そうそう、兵をまとめ、許都へさして引揚げて行ったが、途中まで来ると、一叢の林の中から、突として、張飛の軍隊が襲ってきた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、女湯の客のうち、お照を除いた他の三人は、ひとしくあがぎわだったので、隣りの騒動をきっかけ匆々そうそう逃げ去ったのであった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
火星観測——などというと、いかにも錚々そうそうたる天文学者の一行のように聞こえるけれど、実は大村昌作はサラリーマンなのだ。
火星の魔術師 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
全体の釣合いからいえばよく整うていて不具ではないが、柄を見れば子供、面を見れば老人、肉を見れば錚々そうそうたる壮俊わかもの
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
やっと笑う事もあるようになったと思うと、二十七年の春匇々そうそう、夫はチブスにかかったなり、一週間とはとこにつかず、ころりと死んでしまいました。
捨児 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私はなんでも初めよし後悪し、竜頭蛇尾の性格で、昔やった職業でも、入社匇々そうそうは大いに好評を博するのだが、慣れるにしたがって、駄目になってしまう。
川の水は、辛うじてここに辿りついたこれらの人間が、あんなに困苦して穿うがった路とは反対に、淙々そうそうと自分の路を流れて行った。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
がんりきは、わざとらしい身ぶるいをして前後を見廻しました。前後は杉の木立で、足下では沢の水が淙々そうそうと鳴って、空山くうざんの間に響きます。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
省作はしばらくただ夢心地であったが、はっと心づいて見ると、一時いっときもここにいるのが恐ろしく感じて早々そうそう家に帰った。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「寒月君博士論文はもう脱稿するのかね」と主人が聞くと迷亭もそのあとから「金田令嬢がお待ちかねだから早々そうそう呈出ていしゅつしたまえ」と云う。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
左衛門夫婦も挨拶に出て雑談に時を費したがいつもの時刻に近付くと怱々そうそう夫婦は引き退り後には主馬と朋輩の武士と忠蔵達が五、六人店を通して土間の見える職人部屋に残っていた。
日置流系図 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その男は、個人的な関係から大事が壊れるといけない、三十六計逃げるにしかずと、怱々そうそうに引越してしまった。
(新字新仮名) / 宮本百合子(著)
定正がアッチへ逃げたりコッチへ逃げたりするのも曹操そうそう周瑜しゅうゆに追われては孔明こうめいの智なきを笑うたびに伏兵が起る如き巧妙な作才が無い。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
廬江ろこう箏笛浦そうてきほには大きい船がくつがえって水底に沈んでいる。これは曹操そうそうの船であると伝えられている。
そういう、暗黒街に鳴る鏘々そうそうたる連中が、いかなる用件があってか丁重きわまる物腰で、折竹の七十五番街の宿へやってきた。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
波も死んだようでしたが、そこの岸辺の一郭に、目ざした榊原大内記侯のお下屋敷を発見すると、俄然、爪先迄も鏘々そうそうとして音を立てんばかりに、引締りました。
昼間煙の簇々そうそうと立っていたその方角の空を、夜に入って、今度は火焔が赤々と染める。
足の下、一面は雲の波で、月があっても、凸面に氷を張り詰めて、下界を固く封鎖してしまった、この下に都府あり、簇々そうそうたる人家あり、男女あり、社会あり、好悪あり、号泣放笑ありといっても
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
泣いたのと暴れたので幾干いくらか胸がすくと共に、次第に疲れて来たので、いつか其処にてしまい、自分は蒼々そうそうたる大空を見上げていると、川瀬の音が淙々そうそうとして聞える。
画の悲み (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
彼が目を開くと、自分の身体の上に茂り重っている蒼々そうそうたる榕樹のこずえを洩れたすがすがしい朝の日光が、美しい幾条のしまとなって、自分の身体に注いているのを見た。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
二階と違って、その頃からずっとのちに、殺風景にも競馬のらちにせられて、それから再び滄桑そうそうけみして、自転車の競走場になった、あの池のふちの往来から見込まれぬようにと、切角せっかくの不忍の池に向いた座敷の外は籠塀かごべいで囲んである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
滄桑そうそうへんとは申しながら、御入国ごにゅうこく以来三百年も
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鱗茎りんけい球形きゅうけい黒皮こくひこれを包み、中は白色で層々そうそう相重あいかさなっている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
天草灘に面したこの山の南西腹は最も急峻で、すさまじい岩石が、ほとん柱状節理ちゅうじょうせつりをなし、層々そうそう相重なって断崖に臨んでおり、山上にも多くの巨岩が、天をして聳立しょうりつしている有様ありさまは、耶馬渓やばけい鳶巣とびす山にも比すべきであろう。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
そう音色ねいろ悲愁ひしゅうな叫び、または嘈々そうそうとしてさわやかに転変する笙の余韻よいんが、志賀しがのさざ波へたえによれていった——
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
耳は絃に打たれながら、宋江は自問自答を独り胸にささやいている。曲はすすみ、大絃たいげん嘈々そうそう、小絃は切々せつせつ——
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
庄太は忽々そうそうに出て行った。
半七捕物帳:60 青山の仇討 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
木暮村へ到着忽々そうそう、まづ下婢の美貌にたぢろいだのが皮切りで、その後村を歩いてゐると、藁屋根の下に釣瓶の水を汲む娘や、柴を負ふて山を降る女達、また往還の日当たりに乾瓢かんぴょうをほす女などに、出会ひがしらに思はず振向きかけるやうな美人を見出すことが多い。
木々の精、谷の精 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
いささ末段まつだんに至つて落筆匇匇そうそううらみあらん
病牀雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
小脇差で、たった一打ちに、お八重の首を、ぶらんと、斬って伏せた一角は、どっどと、いかずちにあわせて鳴る大谷川の激潭げきたんのふちを、蹌々そうそうと——踉々ろうろうと——刃の血を、雨に、洗わせながら歩いて行く。
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ蹌々そうそうとして踉々ろうろうというかたちで吾妻橋あずまばしへきかかったのです。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
東帰とうきを急ぐ晶子は第二第三の印象を書く暇も無く匆匆そうそうとして巴里パリイを見捨てたから、その出立後しゆつたつごに受取つたそれ等の手紙の中の二三を訳して晶子へ送る事とする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
この帰りに更にロダン先生に逢つた事のうれしさを今この旅先で匆匆そうそうと書いてしまふのは惜しい気がする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
曹爽そうそうはそういって退却した。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
となし、すなわち曹爽そうそうが総指揮となって、十数万の兵を率い、長安を出て、駱口らっこうを経、積年うかがうところの漢中へ、一挙突入せんとした。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
摩利信乃法師は夢のさめたように、慌しくこちらを振り向きますと、急に片手を高く挙げて、怪しい九字くじを切りながら、何か咒文じゅもんのようなものを口の内に繰返して、匀々そうそう歩きはじめました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
念の為め主人と私の関係を話して置くと、私の父は幼時に維新の匆騒そうそうを越えて来たアマチュアの有職故実ゆうそくこじつ家であったが、斯道しどうに熱心で、研究の手傅てだすけのため一人娘の私に絵画を習わせた。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
かかる折よ、熱海の浜に泣倒れし鴫沢の娘と、田鶴見たずみの底に逍遙しようようせし富山が妻との姿は、双々そうそう貫一が身辺を彷徨ほうこうして去らざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
層層そうそうと積み重ねた石垣。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ああ、左様々々そうそう、まだ其頃のことで能く記臆して居ることがあります。
少年時代 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
小僧「本当でございますとも。曹宗そうそうという人が……。」
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
秋……ことに雨などが漕々そうそう降ると、人は兎角とかくに陰気になつて、ややもすれば魔物臭い話が出る。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
読心術方面に至っては、察心術、読想術、観心術を詳述し、骨相術にはいっては、人相、手相、面相、爪相そうそう、足相にまで突き入った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
微風が、お衣の袖にはらんで、一空さまは、爽々そうそうと歩いて行った。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……元来天下の衆に先立ち、草創そうそうの功を志す以上、節に当り義に臨んでは、命をおしむべきではない。とはいえ事に臨んで恐れ、はかりごとを好んで為すは勇士の為すところと、既に孔夫子も申しておる。されば暫くこの城を落ちて、正成自害したる態になし、敵の耳目を一時眩まそうと思う。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ソナタ第三番=ロ短調(作品五八)」は前者——葬送そうそうソナタよりさらに完成したショパンが見られる。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
春花秋月、夏山の葱々そうそうたる、冬雪の皚々がいがいたる、これをみるものみな、その好風景に感ぜざるはなし。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
乾いたの葉の蔌々そうそうとしてひびきを立てる音が、いつもより耳元ちかく聞えたのは、両方の庭をうずめた落葉が、両方ともに一度に掃き寄せられるためであった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大きな男でしたが、火葬されたので、送葬そうそう輿こしは軽く、あまりに軽く、一盃機嫌でく人、送る者、笑い、ざわめき、陽気な葬式が皮肉でした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
乱擾らんじょう尚全く平ぐに及ばず、剣戟けんげきの声鏘鏘そうそうたる九段坂上くだんさかうえの夜、公余に編輯へんしゅうを続行せし当時を思へば感慨未だ尽きず。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
渡頭ととう人稀ニ白鷺雙々そうそう、舟ヲかすメテ飛ビ、楼外花尽キ、黄鸝こうり悄々しょうしょう、柳ヲ穿うがツテ啼ク。籊々てきてきノ竿、漁翁雨ニ釣リ、井々せいせいノ田、村女烟ニ鋤ス。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
は払ふ 颼々そうそうの風。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
スクリュウに捲き上げられ沸騰ふっとうし飛散する騒騒そうそう迸沫ほうまつは、海水の黒の中で、鷲のように鮮やかに感ぜられ、ひろいみおは、大きい螺旋ぜんまいがはじけたように、幾重にも細かい柔軟の波線をひろげている。
佐渡 (新字新仮名) / 太宰治(著)