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鏘々
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そうそう
ふりがな文庫
“
鏘々
(
そうそう
)” の例文
そういう、暗黒街に鳴る
鏘々
(
そうそう
)
たる連中が、いかなる用件があってか丁重きわまる物腰で、折竹の七十五番街の宿へやってきた。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
前後両営の官軍二十万、馬はいななき、鉄甲は
鏘々
(
そうそう
)
と鳴り、夜が明けてもなお陸続とたえぬ兵馬が
黎陽
(
れいよう
)
をさしてたって行った。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元来武右衛門君は中学の二年生にしてはよく弁ずる方で、頭の大きい割に脳力は発達しておらんが、
喋舌
(
しゃべ
)
る事においては乙組中
鏘々
(
そうそう
)
たるものである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
古賀は
顴骨
(
かんこつ
)
の張った、四角な、
赭
(
あか
)
ら顔の大男である。
安達
(
あだち
)
という美少年に特別な保護を加えている処から、服装から何から、誰が見ても硬派中の
鏘々
(
そうそう
)
たるものである。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
今
当時
(
とうじ
)
における外交の
事情
(
じじょう
)
を述べんとするに当り、
先
(
ま
)
ず
小栗上野介
(
おぐりこうずけのすけ
)
の人と
為
(
な
)
りより
説
(
と
)
かんに、小栗は
家康公
(
いえやすこう
)
以来
有名
(
ゆうめい
)
なる
家柄
(
いえがら
)
に生れ
旗下
(
きか
)
中の
鏘々
(
そうそう
)
たる武士にして幕末の事
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
▼ もっと見る
波も死んだようでしたが、そこの岸辺の一郭に、目ざした榊原大内記侯のお下屋敷を発見すると、俄然、爪先迄も
鏘々
(
そうそう
)
として音を立てんばかりに、引締りました。緊張するのも無理はない。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
螺鈿鞍
(
らでんぐら
)
をおいた駒の背にとび乗り、八文字に開かれている中門から大手の土坡口へ、
鏘々
(
そうそう
)
と、
鎧
(
よろい
)
の
草摺
(
くさずり
)
や太刀の響きをさせて駈け出して来た。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さらに、その要点に言及すれば、何故に
鏘々
(
そうそう
)
たる法医学者達が、二つの
切創
(
きりきず
)
がともに中以上の血管では動脈を避け、静脈のみを胸腔にかけて
抉
(
えぐ
)
っているのに気付かぬのであろうか。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
しかし犬千代も藤吉郎も、
寧子
(
ねね
)
の問題などは忘れ果てて、主君の愛馬を取りかこみながら、
鏘々
(
そうそう
)
と、金属的なひびきを立てながら、大玄関のほうへ駈けて行った。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二十年前
情
(
すげ
)
なく振り捨てた、先妻の衣川暁子も、その劇団と共に迎えてくれたのだし、当時は
襁褓
(
むつき
)
の中にいた一人娘も、今日此の頃では
久米幡江
(
くめはたえ
)
と名乗り、
鏘々
(
そうそう
)
たる新劇界の花形となっていた。
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その、まっ黒な濃煙が、ゆるい運動をえがいているなかに、金吾と日本左衛門の影は、すでに法や格を無視したところの殺剣を交ぜて、
鏘々
(
そうそう
)
たる火花をちらし合っている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と声に応じて、
鵯
(
ひよどり
)
のような若い将軍は、
鏘々
(
そうそう
)
と剣甲をひびかせて、彼の眼前にあらわれた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ふがいなき味方かな」と、大将高順は部下を
叱咤
(
しった
)
し、張飛の前に立ちふさがって、
鏘々
(
そうそう
)
、火花を交わしたが、たちまち、馬の尻に鞭打って、潰走する味方の中に没し去った。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千余駄の馬の口輪や金具が、馬のいななきと一緒に、
鏘々
(
そうそう
)
とひびいた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこへ、
鏘々
(
そうそう
)
たる
鎧光
(
がいこう
)
をあつめた一隊の駿馬は早、近づいて来た。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鏘
漢検1級
部首:⾦
19画
々
3画
“鏘々”で始まる語句
鏘々然
鏘々戟々