暗中の接吻あんちゅうのせっぷん
「御免なさい……御免なさい……」 女は膝まずいて哀願していた。男は少しやさしい口調になって、 「起ちなさい、もう泣かんでもいい。おれにも欠点があったんだからな」 「いいえ、貴郎、飛んでもない……」 女が口ごもりながらいうと、男は首をふって、 …