滄桑そうそう)” の例文
滄桑そうそうへんと云う事もある。この東京が森や林にでもなったら、御遇いになれぬ事もありますまい。——とまず、にはな、卦にはちゃんと出ています。」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その頃からずっとのちに、殺風景にも競馬のらちにせられて、それから再び滄桑そうそうけみして、自転車の競走場になった、あの池のふちの往来から見込まれぬようにと
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
わたくしがこの文についてここに註釈を試みたくなったのも、滄桑そうそうの感に堪えない余りである。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
朽ちざるはかねむり、つたはることき、知らるる名に残り、しからずは滄桑そうそうの変に任せて、のちそんせんと思ふ事、むかしより人のねがひなり、此ねがひのかなへるとき、人は天国にあり。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ちざる墓に眠り、伝わる事に生き、知らるる名に残り、しからずば滄桑そうそうの変に任せて、のちの世に存せんと思う事、昔より人の願いなり。この願いのかなえるとき、人は天国にあり。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
滄桑そうそうへんとは申しながら、御入国ごにゅうこく以来三百年も、あの通り将軍家の……
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)