“逍遙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうよう53.8%
さまよ20.0%
せうえう7.7%
そぞろあるき4.6%
しようよう3.1%
あそび1.5%
さまよい1.5%
さまよひ1.5%
さんぽ1.5%
せうえふ1.5%
そゞろあるき1.5%
ぶらつ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし私は途中でこのあてなしの逍遙しょうようを切り上げもう一ぺん元の所へ立ち帰り「前句」の場面に立ちもどってしかとこれを見直してみる。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それからの妾は孤独な花子アナコの首を抱えて巴里の隅々を妾の魂を求めて逍遙さまよったのです。そのうちにロオズ夫人もこの世から亡くなられました。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
雨が振つて来たので傘をさしていつまでも園中を逍遙せうえうしたが、芭蕉・蕪村の趣味から行けば、晩春・行春の気品といふべきである。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
万事に甘い乳母を相手の生活くらしは千代子に自由の時を与えたので、二人夕ぐれの逍遙そぞろあるきなど、深き悲痛かなしみを包んだ私にとってはこの上なく恨めしいことであった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
かかる折よ、熱海の浜に泣倒れし鴫沢の娘と、田鶴見たずみの底に逍遙しようようせし富山が妻との姿は、双々そうそう貫一が身辺を彷徨ほうこうして去らざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
大路おほぢに出づれば馬車ひきもきらず。羅馬の人を載せたるあり、外國の客を載せたるあり。往くあり、還るあり。こは都の習なる夕暮の逍遙あそびのりといふものにいでたる人々なるべし。
そんなとき、私は憂鬱ゆううつな心を抱いて、街上の撒水うちみずが淡い灯を映したよいの街々を、かすかな風鈴ふうりんの音をききながら、よくふらふらと逍遙さまよいあるいたものであった。
郷愁 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
手をこまぬきて逍遙さまよひ
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
夫人おくさん、すこし、甲板デツキうへでも逍遙さんぽしてませうか。』とわたくし二人ふたりいざなつた。
拂曉ふつげう目醒めさめて、海岸かいがん飛出とびだしてると、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ日出雄少年ひでをせうねん武村兵曹等たけむらへいそうらすで浪打際なみうちぎわ逍遙せうえふしながら、いづれも喜色滿面きしよくまんめんだ。
さて園内ゑんない手入ていれをめなどして、逍遙そゞろあるきはし其人そのひとゆるやと、垣根かきねとなりさしのぞけど、園生そのふひろくしていへとほく、かやぶきののきなかおほ大樹たいじゆまつしたたるごとみどりいろたちゆるばか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やがて目的の元町通りを逍遙ぶらついて西洋家具屋や帽子屋の飾り窓を見てまわり、靴屋も見たのだったが、当の本人がいるのではやはり工合ぐあいがわるかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)